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オメガ6ってどんな栄養素? 役割や豊富に摂れる食品、オメガ3との適正なバランスまで徹底解説!

オメガ6とは脂質の一種です。「脂質」という言葉はどうしても「脂肪」を連想させ、太る原因になるんじゃないか、とか心臓や血管に良くないんじゃないかと誤解しがちです。しかし、脂質は生体の機能に必須のマクロ栄養素の1つであると同時に、健康を維持するのに必要不可欠な成分なのです。

今回はそんな脂質の仲間であるオメガ6について、どんな性質があるのか、また、摂取するタイミングや量も含めて徹底的に解説していきたいと思います。

脂質とは?

まず、脂質というものについてアウトラインから見ていきましょう。

人間の体を構成し、エネルギーを産み出すのに必須の栄養素をマクロ栄養素と呼びます。炭水化物、タンパク質、脂質の3つを指し、この呼び方には慣れたトレーニーの方も多いでしょう。炭水化物、タンパク質、脂質はそれぞれ1gあたり4kcal、4kcal、9kcalのエネルギーを有しているので、脂質はもっとも効率の良いエネルギー源である、という言い方もできるかもしれません。その反面、摂取エネルギーの余剰分は脂肪に変換された蓄積されるので、ダイエットや減量には向かない、という見方をする人もいることでしょう。

生体内での役割

オメガ6の話をする前に、脂質が人間の身体の中で具体的に何をしているのかを理解する必要があります。

生体内に存在する脂質には、遊離脂肪酸、トリグリセライド(中性脂肪)、リン脂質、コレステロールなどがあります(1)。

遊離脂肪酸は、食物から摂取したり、蓄積されたトリグリセライド(中性脂肪)が分解されることで、アルブミンと結合して血液中に流れ込み、細胞内のミトコンドリアでβ酸化という反応を経てエネルギーに変換されます。このミトコンドリア内での反応では酸素が必要になってくるので、「有酸素運動では脂肪が燃やされる」と言われているわけです。

トリグリセライド(中性脂肪)はトリグリセロールという分子に3つの脂肪酸が結合した構造をもっていて、その名の通り中年の敵、蓄積された脂肪ということになります。摂取したカロリーが消費したカロリーよりも多い場合、余剰分は中性脂肪に作り替えられて保存されるのです。脂肪は比重が小さく、1gあたりのエネルギーも大きいため、他の形で保存されるよりも軽く体にエネルギーを保存しておけるというメリットがあります。消費カロリーが摂取カロリーを上回る場合は、この蓄積された脂肪を分解し、トリグリセロールはブドウ糖に作り替えられ、脂肪酸はβ酸化を経てそれぞれエネルギーになります。

リン脂質はトリグリセライド(中性脂肪)に似た構造を有していますが、3つ結合している脂肪酸のうち1つがリン酸基に置き換えられたものです。トリグリセライド(中性)に比べて電気を帯びやすい(極性がある)ため、安定した生体膜を作ることが可能です。

コレステロールは摂取された脂質をもとに肝臓で生成され、生体膜の一部になったり、ステロイドホルモンの材料になったり、胆汁酸の原料になったりすることで脂質の吸収を助けています。ステロイドホルモンと聞くとドーピングを思い浮かべるトレーニーの方がいるかもしれませんが、体内のステロイドホルモンの種類は多岐にわたり、血圧を維持するホルモンや性機能に関わるホルモン、炎症反応を抑えるホルモンなどにもステロイドホルモンの仲間が関わっています。もちろん筋肉を増強するような種類のステロイドホルモンもありますが、脂質の摂りすぎでドーピング陽性になる人はいませんので安心してください。

このように脂質はエネルギーを産み出す、エネルギーを貯蔵する、生体膜を作る、ホルモンを作るなど、生命の維持に必要不可欠な役割を担っている重要な栄養素だということがおわかりいただけたと思います。

オメガ6とは

脂肪酸とはカルボキシ末端とメチル末端の間に無数にメチル結合が繋がったカルボン酸のことを指します(2)。

例)ステアリン酸 〖CH〗_3 〖(CH〗_2 )_16 COOH

ステアリン酸は全てのC-C結合が単結合である飽和脂肪酸です。それに対して二重結合を有するもの、すなわち、水素原子が入り込む余地が残されているものを不飽和脂肪酸と呼びます。

例)リノール酸 〖CH〗_3 〖(CH〗_2 )_4 CH=CH〖CH〗_2 CH=CH〖(CH〗_2 )_7 COOH

不飽和脂肪酸の中でもリノール酸のように、メチル末端の炭素原子から数えて6個目の炭素原子に二重結合を有するものをオメガ6と呼びます。リノール酸は6個目の炭素結合のみならず、9個目の炭素結合も二重結合です。このように複数の二重結合が見られる脂肪酸を多価不飽和脂肪酸と呼びます。ちなみにメチル末端の炭素原子から数えて3個目に二重結合があればオメガ3と呼ばれます。オメガ6、オメガ3はセットで扱われることも多いので、何が違うの?と疑問に感じていた人もいるかもしれませんが、根本的な化学式の構造に違いがあるんだ、ということを認識していただければ良いと思います。

オメガ6とオメガ3

オメガ6摂取により生成されるアラキドン酸は炎症性物質の材料にもなるということを忘れてはいけません。オメガ6は飽和脂肪酸の代替として健康に良い影響を及ぼすとされていますが、重要なのはオメガ3とのバランスだともいわれています。オメガ6とオメガ3の摂取バランスにより、免疫系システムや炎症・抗炎症作用がコントロールされているからです(3)。

西欧風になった現代の食習慣では、オメガ6:オメガ3の比率は15:1程度と言われています。しかし一方で、オメガ6:オメガ3の比率が2.5:1まで低下することが推奨されています。オメガ6による健康増進効果はオメガ3とセットになって、初めて大きな威力を発揮すると言えます。

オメガ6、オメガ3を豊富に含む食品

オメガ6不飽和脂肪酸は融点が低く、常温でも液体の状態である植物油に多く含まれています。コーンオイル、大豆油、グレープシードオイル、綿実油などがぞの代表です。サラダ油はオメガ6系の植物油を精製して作られたものです。オメガ3が豊富に含まれた食材はアマニ油、イワシやサンマなど魚に含まれる油、えごま油などです(4)。

オメガ6の摂取量とタイミング

オメガ6を代表するリノール酸はそのほかに、菓子、パン、マヨネーズ、カップ麺、総菜など加工食品やファストフードにも多く含まれるため、現代の食生活で不足することはほとんどなく、日常生活を営む健康な日本人が欠乏症を発症した例は報告されていません(5)。

一方でオメガ3については、食生活の欧米化や魚を食べる頻度の低下により摂取量が近年減少してきています(4)。厚生労働省は1日の摂取量目安を、国民の健康栄養調査における総摂取量の中央値として2.16gとしています(6)。魚を食べる回数を増やしたり、サラダにアマニ油をかけて食べたりするのも良い手ですが、「そういえば今日オメガ3摂取が足りなかったな」という時にサプリメントが置いてあるのは、賢い解決法の1つとなるかもしれません。

いつでも好きなタイミングで摂取できるなら「外でくらい好きなもの食べても良いよね」と気持ちに余裕が生まれるでしょう。ちなみに、オメガ3の代表であるαリノレン酸が豊富なアマニ油やえごま油は過熱に弱いので、調理油として使うよりはドレッシングなどに使うと摂取効率が上がります(4)。

まとめ

オメガ6は脂肪酸の一種であり、飽和脂肪酸から置き換えることで、またオメガ3脂肪酸との摂取比率を意識することで、プラスの作用を期待できます。オメガ6が平均的な食生活で不足することはほぼありませんが、オメガ3は不足しやすいので、豊富に含まれる食品をバランスよく摂取しましょう。サプリメントが手元にあると、さらに手軽に栄養バランスを維持することができます。


  1. 病気が見えるVol3 糖尿病・代謝・内分泌 MEDIC MEDIA 2015 p88-93
  2. ヴォート基礎生化学 東京化学同人 p151-163
  3. The importance of the ratio of omega-6/omega-3 essential fatty acids A.P. Simopoulos, October 2002
  4. https://style.nikkei.com/article/DGXKZO07062900Z00C16A9W13001 July 30th 2018
  5. 日本人の食事摂取基準 2015年版 p77-p108 脂質
  6. 平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要

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マイプロテイン編集部

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