メディアやSNSにおいて注目され、今では日本においても浸透しつつあるオートミール。スーパーのシリアルコーナーでは、さまざまな種類のオートミールが並んでおり、主食代わりやスイーツなど日々の食事に取り入れる人も増えてきました。
そんなオートミールですが、どんな栄養素があり、なぜ注目されているのか気になったことはありませんか?今回は、オートミールの効果とおすすめの食べ方についてご紹介しますので、オートミールを取り入れてみたい方はぜひ参考にしてみてください。
オートミールとは?
オートミールとは、米や小麦、とうもろこしと同様に穀物の一種です。注目されているオートミールですが、どんな穀物でどのような種類があるのかみていきましょう。
オートミールの原材料
オートミールの原材料はオーツ麦です。オーツ麦そのものではなく、蒸したり、挽き割ったり、平たく伸ばしたりしているため、調理しやすい形状になっています。ちなみに、オートミールをはじめ穀類やナッツ類をローストして、砂糖やドライフルーツで甘味を付けたものがグラノーラです。
純粋なオーツ麦にはグルテンが含まれていないため、グルテンフリーを意識している方も活用できる穀物です。
オートミールの種類
オーツ麦の加工方法ごとに、さまざまな種類のオートミールに分けられます。
『ロールドオーツ』は、脱穀したオーツ麦を蒸してから平たく伸ばしたものであり、粘りが少ないオートミールです。『クイックオーツ』はロールドオーツをさらに細かくしており、粘りがあって柔らかい食感になります。短時間で調理できる点が特徴です。そして、『インスタントオーツ』はロールドオーツを一度調理して乾燥させたもののため、1分程度で調理できます。
オートミールの種類によって食感や調理時間が異なるので、レシピに記載されている種類をよく確認しましょう。
オートミール人気の背景
日本においては、2020年初頭からオートミールは食物繊維やタンパク質、ミネラル源となることから健康的な食品・ダイエットに適した食品として注目されるようになりました。インフルエンサーによってSNSやYou Tubeにおいてオートミール情報が発信されています。
特に、米の代わりのように雑炊やおにぎりに使えるオートミールの「米化」が話題となっています。さらに、コロナ禍において家庭での食事が増えたことや健康への意識が高まったこともオートミール人気の一因です。調理の簡易性と保存がきく点が、外出を減らす買いだめ需要に沿うことから、人気を集めるようになりました。
健康への意識拡大やコロナ禍などによって、日本におけるオートミール市場は年々拡大しており、2026年度にはオートミール市場は120億円になるといわれています。
オートミールの効果
ヘルシーさで注目されているオートミールの効果をみていきましょう。
低GI食品で血糖値の急上昇を抑える
オートミールは低GI食品のひとつです。
GI(Glycemic Index)値とは、食後に血糖値を上昇させる程度を表す指標です。GI値は炭水化物の摂取量ではなく、種類によって決まります。GI値が高いほど血糖値の変動が激しく、低い食品ほど血糖値の上昇が緩やかです。
オートミールのようにGI値が低い食品は血糖値が緩やかに上昇し、膵臓からのインスリンの過剰な分泌を抑えることができます。インスリンは糖を中性脂肪に変える働きがあるので、インスリンの分泌を抑えることはダイエットに効果的といえます。
ダイエットに適した食品
お伝えした通り低GIであるオートミールは、特に減量中の方にとって魅力的な食材でしょう。
1食あたりのオートミールの摂取目安量は、約30gと少量です。オートミールは水分を吸って膨らむため、少量で満足できる食品といえます。さらに、オートミールは、消化に時間がかかり腹持ちが良い点も特徴です。
白米と比較して糖質が少なく、反対に食物繊維が多いため、ダイエット向きの食品といえるでしょう。
オートミールの栄養・カロリー
オートミールに含まれる栄養素量も、注目される理由のひとつです。オートミールの栄養素とカロリーについて解説します。オートミールの栄養成分
オートミールの栄養成分を、精白米と比較してみていきましょう。
【オートミールと精白米の栄養成分(100gあたり)】
|
糖質 |
タンパク質 |
食物繊維 |
カルシウム |
鉄 |
オートミール |
63.1g |
13.7g |
9.4g |
47㎎ |
3.9g |
精白米 |
83.1g |
6.1g |
0.5g |
5㎎ |
0.8g |
※参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
上記の通り、オートミールは精白米と比較して糖質が少ない一方、タンパク質は約2倍、食物繊維は約18倍、カルシウムは9.4倍、鉄分が4.9倍と不足しがちな栄養素が精白米と比べて豊富に含まれています。
オートミールがなぜ良いのか
オートミールには上記のとおりさまざまな栄養素が含まれていますが、特に突出している栄養成分である食物繊維は、水溶性が3.2g、不溶性が6.2gとバランス良く含まれており、注目されています。
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』において、食物繊維の1日の摂取目標量は女性が18g以上、男性が21g以上と定められていますが、現状は男女ともに目標量に達していません。(※厚生労働省『令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 』より)
水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなります。また、水溶性食物繊維に含まれるβ‐グルカンには、血液中のコレステロールを排出させるはたらきがあり、血清コレステロール値の改善が期待されます。ほかにも、不溶性食物繊維は、便のかさを増やしたり、腸を刺激して便通を促す栄養素です。
そのため、普段の食事にオートミールを取り入れることで、簡単に食物繊維を補うことができ、健康面への影響が期待できるでしょう。
オートミールのカロリー
オートミールは鉄やカルシウムなどの栄養素が含まれているため、ヘルシーなイメージがあり低カロリーと誤解されがちですが、実際は100gあたりのカロリーは350kcalです。
精白米100gあたりのカロリーは342kcalのため、オートミールのカロリーが少ないわけではありません。
そのため、オートミールの食べ過ぎによってカロリーオーバーにならないように注意しましょう。
オートミールのおいしい食べ方・レシピ
オートミールと聞くと、ミルク粥を想像しがちですが、最近では昼食や夕食、お菓子作りなどさまざまな料理に活用されています。
SNSで人気のオートミールおにぎりやリゾット、美味しいオーバーナイトオーツのレシピをご紹介するので、ぜひ試してみてください。 まとめ
今回はオートミールの健康効果や栄養素、カロリーについて解説しました。
オートミールは低GI食品であり、水で膨らむことで少量で満足できるため、ダイエット中にピッタリの食品といえるでしょう。また、食物繊維やカルシウム、鉄が豊富なため、不足しがちな栄養素を補う目的で活用することもおすすめです。
ご紹介したオートミールレシピを参考に、ぜひオートミールを毎日の食生活に活用してみましょう。 本記事は情報提供および知識向上を意図としたものであり、専門的な医療アドバイスを目的としたものではありません。ご自身の健康に何か懸念がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。