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話題のオーツミルクとは?栄養士がメリットやデメリットを解説!

近年、牛乳の代わりとなる植物性ミルクが注目を集めています。豆乳やアーモンドミルク

だけではなく、最近では「オーツミルク」も日本で出回るようになり、第3のミルクとして話題です。オーツミルクは、単に牛乳の代替品になるだけではなく、牛乳には少ない栄養素が含まれている健康面のメリットや、環境保全の側面から注目を集めています。

 

ただ、『オーツ』という聞き慣れない食材のため、どんなミルクなのか気になるでしょう。今回は、オーツミルクに含まれる栄養素とメリットやデメリットを解説していきます。

 

オーツミルクとは?その原料とは?

まずは、オーツミルクとはどのようなミルクなのかお伝えします。

 

オーツミルクとは、オーツ麦と呼ばれる穀物から作られた飲料のことです。オーツ麦とは、オートミールやグラノーラの原料として利用されています。

 

オーツ麦の自然な甘さとクリーミーな口当たりから、近年オーツミルクが人気を集めています。製品によっては、味や飲み口を良くするために増粘剤や乳化剤を添加している場合もあります。

 

オーツミルクは、植物性のミルクと呼ばれています。牛乳やヤギの乳のように動物の乳を搾乳したものが動物性ミルクである一方、豆乳やアーモンド、米、オーツ麦といった穀物や豆類、種実から絞って作るものは植物性ミルクに該当します。

 

また、『オーツミルク』という名称ですが、乳製品が含まれていない商品がほとんどです。

 

オーツミルクのメリットや効果

 

オーツ麦のメリットや効果は、健康面はもちろんのこと、多様な消費者にとっての選択肢や環境保全へのメリットもあります。

 

オーツミルクのメリットや効果をご紹介します。

 

牛乳よりも低カロリー低脂質でダイエット向き

オーツミルクは、牛乳よりも低カロリーかつ低脂質のため、ダイエット向けと言えるでしょう。

 

牛乳のカロリーは100gあたり61kcal、脂質は3.8gである一方、オーツミルクのエネルギーは100gあたり48kcal、脂質は2.75gです。

 

そのため、ダイエット中の方は普段の飲み物や調理用のミルクをオーツミルクに変えることで、カロリーと脂質を抑えることができるでしょう。

 

乳アレルギーや乳糖不耐症の方も楽しめるミルク

 

世界的に有病率が75%を占める乳糖不耐症や、牛乳アレルギーの方にとって、牛乳の代わりにオーツミルクを活用することで日々の飲み物や料理・お菓子作りの新しい選択肢となります。

 

オーツミルクには、牛乳などの動物性ミルクと違って乳糖やカゼインと呼ばれるお腹がゴロゴロしたり乳アレルギーを引き起こしたりする成分が含まれていないので、乳糖不耐症の方や牛乳アレルギーの方も飲用できます。

 

健康上の理由から牛乳が飲めない方にとって、牛乳の代替品としてオーツミルクを楽しめるでしょう。

 

多様な消費者が楽しめる

 

近年、さまざまな消費者の嗜好を反映するために、植物性由来の原材料を使った『プラントベースフード』が広がっています。

 

オーツミルクは、環境面に配慮して動物性食品の摂取を減らして植物由来の食品の摂取を増やす方の新しい選択肢になることはもちろん、環境面や動物愛護の観点から乳製品を一切摂取しないベジタリアンやビーガンの方にとって牛乳の代替品としても有効でしょう。

 

環境保全

 

オーツミルクをはじめ植物性ミルクが注目されるようになった背景として、環境保全が挙げられます。

 

世界の人口は、2030年には85億人、さらに2050年には97億人と増加し続けることが見込まれており、食糧不足による飢餓や栄養不足が懸念されています。

 

牛乳の生産には、乳牛を育てるための水や肥育のための土地、エサなどさまざまな資源が必要となる一方、オーツミルクの生産には乳牛のような膨大な資源は不要となります。そのため、オーツミルクを選択することは、環境にとって有益であるといえます。

 

オーツミルクのデメリット

 

オーツミルクには健康面や環境保全のメリットがある反面、デメリットもあります。デメリットを理解した上で、オーツミルクを活用すると良いでしょう。

 

牛乳と比べてタンパク質は少なめ

 

オーツミルクは、牛乳と比べてタンパク質が少ないミルクです。

 

100gあたりのタンパク質量を比較すると、牛乳は3.3gであるのに対して、オーツミルクはたった0.8gです。そのため、完全に牛乳の代わりになるわけではありません。

 

筋トレの際は別の食材からタンパク質を補う必要があります。一方で、普段からタンパク質を十分に摂取している人の場合は、オーツミルクはカルシウムや食物繊維などを補う目的で飲むと良いでしょう。

 

取り扱いが少なく手に入りにくい

 

日本でも少しずつオーツミルクが出回るようになりましたが、豆乳やアーモンドミルクと比較するとまだ取り扱い店舗が少なく手に入りにくい状況です。

 

また、牛乳と比べて価格が高いのもデメリットといえます。

 

オーツミルクの栄養価

 

オーツミルクの栄養価と特徴を解説します、

 

【オーツミルクの栄養価(100gあたり)】

エネルギー タンパク質 脂質 コレステロール カルシウム 食物繊維

ビタミン

ビタミン

48kcal 0.8g 2.75g 0㎎ 148㎎ 0.75g 0.3㎎ 1.7μg

 

コレステロールがゼロ

 

乳製品を使っていないオーツ麦はコレステロールが0㎎である点が特徴です。

 

コレステロール自体は、細胞膜やホルモン、胆汁酸の構成要素となり必要な栄養素ではありますが、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)のバランスが崩れて血液中のコレステロールの量が過剰になってしまうと、脂質異常症をはじめとする健康面のリスクが発生します。

 

肉類や動物性ミルクに多く含まれているLDLコレステロールは、通常摂りすぎていることが多いので、オーツミルクを活用することでLDLコレステロールの摂取量を抑えることができます。

 

食物繊維が豊富

 

オーツミルクが牛乳と圧倒的に異なる点は食物繊維の量です。オーツミルク100gあたり食物繊維が0.75gと、なんとレタス65g(食物繊維0.7g)よりも食物繊維が豊富に含まれています。

 

食物繊維は、筋のような状態を想像しがちですが、オーツミルクのように水に溶けてサラッとした状態のものもあります。食物繊維には、便のカサを増やしたり、腸内細菌のうち、善玉菌を増やして腸内細菌を整える働きが期待されています。さらに、食後の糖の吸収を緩やかにして血糖値が急激に上がらないようにする働きがあるのです。

 

『日本人の食事摂取基準(2020年版)』において、食物繊維の目標量は成人男性が21g以上、成人女性は18g以上と定められています。しかしながら、『令和元年 国民健康・栄養調査結果』によると、多くの日本人が目標量を下回っている現状です。オーツミルクなどを活用することで不足しがちな食物繊維を補うことができるでしょう。

 

ビタミンB2・ビタミンDが多い

 

ビタミンB2やビタミンDが多い点もオーツミルクの特徴です。

 

ビタミンB2 は、脂質や糖質などエネルギーの代謝に関わるビタミンのため、ダイエットにおいても重要なビタミンです。ビタミンDは、カルシウムの吸収に関わるほか、近年はビタミンD欠乏と肥満に関係があると分かっています。

 

ビタミンは体内でほとんど作ることができないため、オーツミルクをはじめ食品から摂取する必要があります。

 

カルシウムが豊富

 

オーツミルクには、カルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは骨の構成要素として重要な栄養素です。さらにカルシウムの吸収にはビタミンDが必要です。オーツミルクならビタミンDとカルシウムを両方補うことができます。

 

『日本人の食事摂取基準(2020年版)』において、カルシウムの推奨量は成人男性が750〜800㎎、成人女性は650㎎と定められています。

 

オーツミルクは100gあたり148㎎のカルシウムが含まれていますので、体調やアレルギー等で牛乳や乳製品を控えている方にとって貴重なカルシウムの供給源になるでしょう。また、偏ったダイエットを行っているとカルシウムが不足するので、低カロリーなオーツミルクを活用することでヘルシーにカルシウム補給ができます。

オーツミルク・豆乳・アーモンドミルク・牛乳の違いを比較

プラントベースミルク

オーツミルク以外のミルクとはどのような違いがあるのか解説していきます。

 

【各ミルクの栄養価(100gあたり)】

エネルギー タンパク質 脂質 カルシウム 食物繊維
オーツミルク 48kcal 0.8g 2.75g 148㎎ 0.75g
豆乳 44kcal 3.6g 2.0g 15㎎ 0.2g
アーモンドミルク 15kcal 0.6g 1.2g 173㎎ 0.45g
牛乳 61kcal 3.3g 3.8g 110㎎ 0g
上記の通り、同じミルクであっても、エネルギーやタンパク質など栄養素量が大きく異なります。

 

オーツミルクは、同じ植物性ミルクである豆乳と比較して、カルシウムが豊富である点が特徴といえます。

 

また、アーモンドミルクと比較するとカロリーは高めですが、食物繊維はオーツミルクの方が多いといえます。

 

動物性ミルクである牛乳と比較すると、脂質を抑えつつも、カルシウムは牛乳の同等です。一方、乳製品のカルシウムの方が吸収されやすいという特徴もあります。

 

まとめ

今回はオーツミルクの栄養素や効果について解説しました。

 

オーツミルクは、健康面はもちろんのこと、環境保全も期待される植物性ミルクの一つです。牛乳よりも低カロリー低脂質であるためダイエット中の牛乳の代替品として活用できるほか、不足しがちな食物繊維やカルシウムの補給としても役立ちます。

 

一方で、オーツミルクは牛乳と異なりタンパク質量が少ないため、他の食品を活用してタンパク質を補うようにしましょう。

 

ご自身の健康や環境保全のために、普段の飲み物をオーツミルクに変えてみたり、お菓子づくりや料理にオーツミルクを活用してみてはいかがでしょうか。

 

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本記事は情報提供および知識向上を意図としたものであり、専門的な医療アドバイスを目的としたものではありません。ご自身の健康に何か懸念がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。

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管理栄養士 渡部早紗

管理栄養士 渡部早紗

コミュニティーユーザー

管理栄養士兼ライター。総合病院・企業を経てフリーランス管理栄養士として独立。主に Web サイトの記事執筆を行い、根拠に基づいた栄養情報の発信を行う。学生時代は陸上、社会人からはハーフマラソンに取り組み、産後も体力づくりに励む。


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