デクラインベンチプレスのメリット|方法とよくある間違いを合わせて解説
全体的に丸みがある、形の良い胸部を鍛えるとき、まず初めに思い浮かぶエクササイズはフラットバーベルベンチプレスでしょう。フラットバーベルベンチプレスは、上半身におけるサイズや強さ、パワーを増やしたい人にとって、非常に有益な胸部の運動です。しかし、ジムではフラットベンチプレスがより多くの注目を浴びるので、デクラインベンチプレスのバリエーションが気にかけられないことはよくある話なのです。あなたが「ベンチプレスでどれくらいのウェイトを上げられますか?」と最後に聞かれたのはいつでしょうか。もしかしたら、その答えは「昨日」かもしれませんね。では、もしも私が「デクラインベンチプレスでどれくらいのウェイトを上げることはできますか?」とあなたに質問をしたらどうでしょう?きっとこの質問には答えられないのではないでしょうか。
デクラインベンチプレスは、胸にかかる角度と緊張を変えることができる、効果的なフラットベンチプレスの代わりにもなるメニューです。動作中の筋肉に対して新しい刺激を与えることで、筋肉のサイズと強さを高めます。肩への影響の観点から、デクラインベンチプレスの方がフラットベンチプレスよりも好まれる場合がありますが、このエクササイズには更なる利点があります。
下部胸部
ある特定のエクササイズがそれぞれ上部、中部、下部の胸部に単独で刺激を与えるかどうかについては、まだ結論が出ていません。しかし、複数の研究によると、デクラインベンチプレスは特に手強い胸部の下部を鍛えようとする人にとって効果的なエクササイズであるということが示されています。胸部の下部のセクションは、胸部のほかの部分と比べてエクササイズの数が少ない(デクラインベンチプレス、ケーブルクロスオーバー、ディップス)のです。このエクササイズを最大限に活用することは、胸部の下部を鍛えるためには大いに役立ちます。
背面にストレスをかけない
ジムでよく見られるフラットベンチプレスのよくある間違いは、より多くのウェイトを上げるために背中が丸まっているということです。もちろん、これは200kg以上を持ち上げるパワーリフターに対しては容認できますが、美しい胸部を手にしたい人にとってはエクササイズの正しい効果をほとんど発揮できません。代わりに、緊張が胸から腰へと移動され、怪我の可能性が高まるのです。デクラインバーベルベンチプレスの位置が低いので、背中を持ち上げてアーチ型にする力がはたらかなくなります。背中にかかる潜在的なストレスが減るので、エクササイズを行うすべての人にとって、多方面にわたる、より安全なリフティングエクスペリエンスを得ることができるのです。
ウェイトを増やす
デクラインベンチプレスの角度とそれを行うときの体勢の理由から、エクササイズを行うときに使うウェイトを安全に増やすことができます。同様に、負荷を増やすことで、広範囲にわたる胸部のそれぞれの筋線維に対して衝撃と刺激を与えるのです。結果として、このことは時間とともに胸部の筋線維が成長するように刺激します。しかしながら、このウェイトが定期的かつ長時間にわたって増えるときには、トレーニングパートナーやPT(理学療法士)、スポッター(補助をする人)に同伴してもらうようにしましょう。エクササイズの際、安全のために彼らに付き添ってもらうことで、深刻な事故や怪我を未然に防ぐことができます。
デクラインベンチプレスの体勢は通常のベンチプレスのときとは異なるので、動作のはじめから終わりまでずっと正しいフォームとテクニックで行うことが大切です。以下では、このエクササイズを効果的に行う方法と、よくある間違いについて段階的にお話しします。
デクラインベンチプレスの方法
準備をしよう
- このエクササイズのポジショニングを行う前に、十分にウォーミングアップを行う必要があります。この動作全体に関わる筋肉だけでなく、回旋腱筋板も忘れずにウォームアップしてください。
THE プレワークアウト プラスなどお気に入りのプレワークアウトを摂取して、よりパフォーマンスに集中できるようコンディションを整えるのも大切です。 - このエクササイズを実行する前に、バーだけでウォームアップセットを行うことをお勧めします。これによって、使う筋肉を認識しながら実際の動作を行うことができます。
- まず初めに、ベンチの端にあるパッドの下に足を置き、下降位置に身を下ろします。
- 体を真っ直ぐに保ちつつ、バーベルをラックから外して胸のすぐ上にバーベルが来るようにします。なお、グリップは自分に合った幅を採用してください。グリップの幅は好みが重要ですが、肩幅よりのやや広めの幅で行われることがほとんどです。
実践
- 深く息を吸いながら、バーが胸につくまでだんだんと下げていきます。少しの間休止して、筋線維が横に伸びるようにします。
- バーを一時停止させたら、息を吐いて、バーを元の位置に戻します。動作のこの段階ではずっと、すべての緊張は胸部を介して発生し、上腕三頭筋が補助となります。
リカバリー
- 指定した回数を繰り返したら、バーベルを元のラックに戻し、ゆっくりとデクラインポジションから戻ります。
- ポジションが安定しないため、トレーニングパートナーやアシスタントに、バーをラックに戻すのを手伝ってもらうことをお勧めします。
4つのよくある間違い
その1:バーを胸から跳ね返す
一般的に、デクラインベンチプレスでは通常のベンチプレスよりも多くのウェイトを加えることができるため、フォームや可動域(詳しくは次の段落で)が軽視されてしまい、ジムの窓から放り出されてしまいます。より重い負荷を上げるための勢いをつけるために、バーを胸にバウンドさせる光景がよく見られまることでしょう。これは胸骨損傷の可能性を高めるだけでなく、筋肉が緊張している時間を奪うことになります。筋肉が緊張状態にある時間は胸の成長を刺激するためのものであり、これを奪ってしまえば胸部の発達の機会を逃してしまうのです。
その2:可動域の不足
これに続いて、増やしたウェイトは方程式に加算されます。最大まで可動域を広げることは難しい場合が多いのです。この可動域は胸部の筋線維全体に劇的な緊張をもたらすだけでなく、怪我の可能性を減らし、日々の筋肉のはたらきを助け、そして筋肉を取り巻く関節に利益をももたらすのです。この可動域の不足を防ぐために、すべての求心性/偏心筋の動作をやり抜くことができるウェイトを選ぶようにしましょう。
その3:不適切な呼吸法
ショルダープレス、ベンチプレス、ミリタリープレスなどのプッシュ運動、およびその他の運動では、適切な呼吸法法を終始行うことで、その効率は大幅に向上します。適切に呼吸する(偏心筋収縮のときは息を吸い込み、求心性収縮のときは息を吐く)ことは、単に運動効率が向上するだけではありません。典型的に異なる動作における体力の消耗を増やし、エクササイズそのものとテンポとを結びつけることにも繋がるのです。
その4:スポッターなし
前述したように、デクラインベンチプレスは特殊な体勢で行います。特に、筋肉が疲労した状態ではバーベルをラックに戻しにくくなります。安全にウェイトをラックに戻すことができないと、重大な怪我に繋がる恐れや、生涯にわたってデクラインベンチプレスを行えなくなる可能性があります。これまでの一節でエクササイズの利点について見てきましたが、こういったことが起こってほしくないと間違いなく思うことでしょう。深刻な怪我を未然に防ぐために、トレーニングパートナーや同じジムフロアにいるPT(理学療法士)などのトレーニングに関する正しい知識を持った人に、力を借りるようにしましょう。最初のリフトオフから最後までのエクササイズ全体を手伝ってもらうのです。
まとめ
デクラインベンチプレスに関するこちらの記事はいかがでしたでしょうか?胸にかかる角度と緊張を変えることができるデクラインベンチプレスをいつものエクササイズメニューに加えてよりバランスのよい胸部を目指しましょう!また、怪我のリスクを軽減するためにも、スポッターは必須です。正しいフォームの確認と環境を整えることから始めるのが大切です。
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