アスリートの皆さん、筋トレや美容に興味がある皆さんは、オーツ麦やオートミールという食べ物について耳にしたことがあるのではないでしょうか。日本では燕麦(えんばく)とも呼ばれているオーツ麦。一般的にオーツ麦を食べやすい形状に調理・加工したものをオートミールと呼びます。
マイプロテインではロールドオーツ(押し麦)という名前で販売されているほか、粉末状にしたインスタントオーツ、またオーツ&ホエイ プロテイン バーのようなプロテインスナックにまで幅広くオーツ麦が使われています。
ではオートミールが、なぜ健康食品として高く評価されているのでしょうか?
今回はスーパーフードとも言えるオートミールについて、栄養素やダイエット効果、お手軽な食べ方などを紹介していきたいと思います。
この記事で分かること:
1. オートミールは栄養価が高い
2. 運動する人に不足しがちなカルシウム、ビタミンが豊富
3. 病気のリスクを下げる
4. オートミールはGI値が低い
5. オートミールは調理が簡単
6. 実際、オートミールは美味しいの?
7. 脂質が多いけど大丈夫なの?
8. まとめ
1. オートミールは栄養価が高い
注目されている理由のひとつが栄養価の高さです。
オートミール(オーツ麦)と、おなじみの炭水化物を比較してみましょう。
食品100g当たりに含まれる栄養成分
栄養成分 | オーツ麦 | 白米 | 玄米 | 食パン |
エネルギー(kcal) | 380 | 356 | 349 | 260 |
たんぱく質(g) | 13.7 | 6.1 | 6.8 | 9 |
脂質(g) | 5.7 | 0.9 | 2.7 | 4.2 |
炭水化物(g) | 69.1 | 77.1 | 74 | 46.6 |
食物繊維(g) | 9.4 | 0.5 | 3 | 2.3 |
カルシウム(mg) | 47 | 5 | 9 | 23 |
鉄(mg) | 3.9 | 0.8 | 2.1 | 0.5 |
ビタミンE(mg) | 0.6 | 0.1 | 1.2 | 0.5 |
ビタミンB1(mg) | 0.2 | 0.08 | 0.41 | 0.07 |
ビタミンB6(mg) | 1.11 | 0.12 | 0.45 | 0.03 |
出典:食品成分データベース(文部科学省)
まずは「たんぱく質」を比較してみます。100gあたりオーツ麦は13.7g、白米は6.1g、玄米は6.8gとオートミールには多くのたんぱく質が含まれていることが分かります。高たんぱく質な食事を心がけているときにピッタリな食材ですね。
2. 運動する人に不足しがちなカルシウム、ビタミンが豊富
たんぱく質だけでなく、食物繊維やカルシウムなどその他の栄養価も高いことが上の表から分かります。
たとえば、「カルシウム」が多く含まれていることも特徴のひとつです。成長期にはもちろん、その後の成人にも必要不可欠な栄養素です。カルシウムは筋肉が収縮するときに必要で、不足してしまうと痙攣(いわゆる “筋肉がつる”)症状が出る可能性が高まるので、しっかりと補給しておく必要があります。
また、ハードに運動をする人は骨を作ったり壊したりするサイクル(骨代謝)が活発です。そのためカルシウム不足になりやすく、不足すると骨がもろくなってしまう「骨粗しょう症」のリスクが高まります。特に女性アスリートの場合は、激しいトレーニングや厳密な体重管理によって女性ホルモンバランスが乱れた結果、骨がもろくなるという研究結果があります。カルシウムはオートミールをはじめ、牛乳や魚など様々な食材から積極的に摂取しましょう1。
3. 病気のリスクを下げる
オートミールは食物繊維がとても豊富で、便秘解消や、腸内細菌バランスを整えるために適した食品です。
また、米国食品医薬品局(FDA)によると、オートミールに含まれるβ-グルカンを摂取することで、アスリートの突然死の原因としてあげられる “冠動脈心疾患”のリスクが減少するという研究報告がされています2,3。
たんぱく質メインで野菜が不足している食生活を送ると起こりやすいこのようなトラブルも食物繊維、β‐グルカンの摂取で改善していきましょう。
4. オートミールはGI値が低い
GI値とは、その食品を食べたときの血糖値の上昇しやすさを数値化したものです。
GIが70以上の食品が高GI、56~69は中GI、55以下は低GIと定義されています。
オートミール(オーツ麦)のGI値は“55”。白米のGI値は“81”。
つまり高GIの白米に比べ、低GIのオートミールは血糖値の上がり方がゆるやかなので、朝ごはんにはうってつけ。 なぜなら、筋肉にゆっくりと長時間エネルギーを送り届けることができるからです。さらに脂肪の蓄積を抑えられるため、減量中や就寝前の食事にもおすすめです。
5. オートミールは調理が簡単
このスーパーフード、栄養価が高いだけでなく食べ方も簡単なのが人気の秘密。
タッパーなどの耐熱容器にオートミールを入れた後、お湯を注ぎます。または、水や牛乳などを注ぎレンジで2~3分加熱します。乾燥していたオートミールが水分を吸って膨らみ、これだけで出来上がりです。
お米は炊くのに1時間ほどかかりますが、オートミールならトレーニングをした直後でもすぐに調理ができて食べられるので、 時間がない時にも最適です。
マイプロテインでもいくつかロールドオーツを使ったレシピをご紹介しています:
6. 実際、オートミールは美味しいの?
簡単に調理できるオートミールですが、日本人は食べ慣れていないのでは?味がまずいのでは?という声も耳にします。
ですが、実際に食べてみるとプチプチ食感のお粥のような食感です。水分量を変えるとやわらかめ、かためとお好みで調節ができます。
味付けは、ふりかけ、お茶漬けの素、フリーズドライのスープと一緒に塩気メインで食べるのも良いでしょう。牛乳でコーンフレークのようにして、甘いデザート感覚でフルーツと一緒に食べるのも美味しいです。
まずいかどうかは好みの違いもありますが、ひと工夫して食べやすくすることは可能でしょう。
7. 脂質が多いけど大丈夫なの?
オートミールに含まれる脂質は、不飽和脂肪酸が豊富です。そのうち「必須脂肪酸」であるオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸がたくさん含まれています。これらは体内で合成ができないため、食品やサプリメントなどから摂取する必要がある栄養素です。
これらの必須脂肪酸は動脈硬化の原因となるコレステロールを減少させる効果があり、血液中の中性脂肪を減らしてくれるので、血栓の予防にもなる“健康に良い脂質”です。脂質だからすべて健康に悪いわけではないのです。なので、オートミールに含まれる脂質は、適度に摂取することが望ましいでしょう。
8. まとめ
今までオーツ麦、オートミールに馴染みがなかった人も 興味が湧いてきたのではないでしょうか?
たんぱく質、食物繊維やミネラルが豊富で玄米にも勝るスーパーフードでありながら、調理がとても簡単なオートミール。注目されている理由は優れた栄養価や食べやすさにありました。
オートミールは朝の限られた時間の中でも栄養価の高い食事を摂ることを可能にしてくれますし、トレーニング後で食事を作る気力がない時でも、電子レンジのみで簡単調理ができます。自分好みの調理方法、味付けで気軽にアレンジして食べるのも楽しいですね。乾燥食材なので長期間の保存にも最適です。ぜひともこのスーパーフードにチャレンジしてみてください。
アスリートやトレーニーにとっては、食事もトレーニングの一環です。食事によってトレーニング効果が変わってきます。また健康を損なわずダイエットを成功させるのにも食事は大切なファクターです。これを機にオートミールを活用し、食生活をより良いものにしていきましょう。