バーベルアップライトローの正しいやり方|効果とテクニック
強い肩がほしい、あるいは体の全体のラインを改善したいと考えているなら、アップライトローをぜひあなたのルーチンに加えてみてください。
バーベルアップライトローは上半身を鍛えるための素晴らしいトレーニングです。きっと、あなたの現在のトレーニング計画にぴったりとはまるはず。肩と腕のトレーニング日でも、全身トレーニングの日でも、アップライトローは必須の種目になるでしょう。以下でその理由をお教えします。
バーベルアップライトローとは?
バーベルアップライトローとは、背中と肩の筋肉を鍛えるための最高の種目の一つとみなされています。二の腕の筋肉の形を整え、質感を高めるのにも役立ちます。
両腕を肩幅程度に開いてバーベルを握り、腰を前後に揺らすことなく、上胸部までバーベルを上げて、それから元の位置まで下げるというのが一連の動きとなります。
アップライトローはフリーウェイト種目の一つで、基本的にダンベルかバーベルを使っておこないます。シンプルな動きではあるものの、怪我を防ぎ、最高の結果を得るためには完ぺきなフォームが必須です。以下のやり方を参考にして、この種目をぜひマスターしてください。
バーベルアップライトローのやり方
https://youtu.be/xg0qajoXEac
- 足元のバーベルを両手でつかみ、直立します。手幅は、肩幅よりも少しだけ内側にしてください。体の軸に力を入れ、大殿筋(お尻)の筋肉を締めれば、体の揺れを減らせるので、腰痛を防ぐことができます。
- 肘から上げていき、肘が肩と同じ高さになるまでバーベルを持ち上げていきます。動きの最中、バーベルをきちんとコントロールすることが重要です。バーベルを前に振らず、体に引き付けたままで上げてください。
- 一番高い位置でいったん動きをとめて、三角筋がバーベルを上げている感覚を確かめてください。それから今度はバーベルを下げていって、スタートポジションまで戻します。
- 以上の動きを、目標レップ数まで繰り返してください。
バーベルアップライトローの効果とターゲット部位
アップライトローは上半身のトレーニングで、ターゲットとなる部位は三角筋中部(肩の側面部分の筋肉)です。ここを鍛えると、肩幅がより広くなります。前腕と肩の形と質感が良くなるだけでなく、ウエストが細く見えるようにもなります。
アップライトローは僧帽筋(肩を上げるときに動く、背中上部の部位)にも、菱形筋(肩甲骨を寄せるときに動く部位)にも、二頭筋にさえも負荷を与えます。どんなワークアウト計画にもうまく組み込めるはずです。
これにより肩が鍛えられ、良い形になるだけではありません。バーベルアップライトローをマスターすれば、スクワットやデッドリフトといった最重要トレーニングが上達します。
フォームのコツ
動きの最中には、体の軸に力を入れてください。腰への負担が減り、三角筋への負荷に意識を集中できます。腰を使ったり、揺らしたりすることは、この種目の狙いを邪魔します。ですから、動きをコントロールすることに努めて、トレーニングの効果を最大限得られるようにしてください。
よくある間違いと解決法
肘を上げすぎてしまう
肘が肩の高さまで上がったところでストップさせることで、肩への過度の負荷を減らし、怪我を防げます。たとえば、肩関節が棘上筋腱(きょくじょうきんけん)を関節窩に引き込んでしまい、鋭い痛みをもたらすことがあるのです。
これを防ぐためのベストな方法は、鏡で自分のフォームを確認することです。鏡を見て、肩と同じ高さで肘をとめれば、怪我の可能性を大幅に減らせるでしょう。もしもジムにちょうどいい鏡がなかったら、簡単な方法があります。動作中に手が胸骨(胸の真ん中にある平たい縦の骨)にふれるとき、肘と肩が同じ高さになっているはずなので、そこをトップポジションにするのです。
巻き肩や猫背になってしまう
これは自分では気づきにくい癖です。まず、バーベルを下げるときには胸を張ってください。肩が前に出て、内側に巻くことのないように注意しましょう。巻き肩でいると、負荷の大半がターゲット部位ではなく、僧帽筋ばかりにかかってしまいます。
動作の最中には肩甲骨を寄せるようにしてください(肩甲骨内転)。肩が強い状態でいられる位置なので、三角筋へのトレーニングに集中できるでしょう。
とにかく胸を張り、肩は前に出さないようにします。僧帽筋ではなく、三角筋中部をターゲットにしていることを忘れないでください。
バリエーション種目と代替種目
ダンベルアップライトロー
アップライトローは、ダンベルかバーベルを使っておこなわれるものです。バーベルで手首や肩がきゅうくつに感じるのであれば、ダンベルを使ったアップライトローを試してください。自由度の高さを感じられるはずです。
https://youtu.be/r93Obscp_xo
- 手のひらを下に向けて(順手)、両手にダンベルを一つずつ持ち、直立します。手の幅は、肩幅よりも少し狭い程度にします。両腕は伸ばしますが、肘はわずかに曲げておいてください。背中はまっすぐに伸ばします。これがスタートポジションです。
- 肘から動かしてダンベルを持ち上げていきます。肘が肩と同じ高さになるまで上げます。動きの最中、ダンベルは上下動だけをするようにしてください。前に振ったりせずに、体のそばに引き付けておきます。
- 三角筋に負荷がかかっていることを感じるために、一番高い位置でいったんとめてください。それから、ダンベルをスタートポジションまで下げます。
- スタートポジションまで戻ったら、体の軸と大殿筋に力を入れなおし、以降、同じ手順を繰り返してください。
サイドラテラルレイズ
ラテラルレイズは肩を鍛えるための最高のトレーニングの一つです。ダンベルを横から持ち上げていき、肩の高さまで来たら、今度は元の位置まで下げていくという非常にシンプルな動きです。簡単そうですが、実際には一筋縄ではいきません…。
https://youtu.be/WNGmYlRVkwA
- 軽めのダンベルを両手に一つずつ持ち、直立します。腕は伸ばし、体の横に垂らします。
- 肘を少しだけ緩めて、腕を体の横から持ち上げていきます。
- そのままダンベルを上げていき、肩の高さになるまで上げます。いったん停止してから、スタートポジションまで戻ります。
ポイント:ダンベルを持ち上げるときに体が後ろに反るように感じたら、おそらくウェイトが重すぎます。ウェイトの重さを下げて、三角筋中部を意識しながら動かせるようにしましょう。
シーテッドラテラルレイズ
ラテラルレイズと同じ動きですが、こちらはベンチに座っておこないます。
https://youtu.be/n90_Kf2R1SI
- ベンチに座り、両手に一つずつダンベルを持ち、体の横に垂らします。
- 肩と同じ高さになるまで、ダンベルを体の横から持ち上げていきます。
- ダンベルを下げていき、スタートポジションまで戻します。動作のあいだ、ダンベルの動きを常にコントロールしつづけましょう。
- 以上の動きを、目標レップ数まで繰り返してください。
スミスマシンショルダープレス
スミスマシンショルダープレスは、肩の筋肉すべてをターゲットとする素晴らしい種目です。スミスマシンを使うことで、動作のあいだずっと筋肉に負荷をかけつづけることができますし、フリーウェイトとくらべると基本的に安全で、関節への負担も少なくなります。
https://youtu.be/Mg_HSeDU-iU
- スミスマシンの下にフラットベンチを設置します。バーベルをセットする位置は、座って両腕を伸ばしきって届くぐらいのところにします。
- 手のひらを前に向けて(順手で)バーベルを握ります。バーベルをラックから外し、腕が伸びきるところまで押し上げます。これがスタートポジションです。
- ゆっくりとバーベルを顎と胸のあいだぐらいまで下げていきます。
- バーベルをスタートポジションまで戻します。
まとめ
アップライトローは上半身のほぼすべてを鍛えられる種目です。ターゲット部位は肩(三角筋)、僧帽筋、前腕、二頭筋です。バーベルをダンベルに替えたり、三角筋中部に狙いを絞るためにラテラルレイズを試したりするなど、動きに変化を加えてみるのもいいでしょう。
たくさんの筋肉を使う素晴らしい種目ですから、早速、あなたのトレーニング計画に組み入れてみてください。その日のトレーニングの冒頭で、まだ元気なうちに攻略したくなる種目になるでしょう。
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ジェニファー・ブロウ(Jennifer Blow)はマイプロテインの編集者で、UKVRN*登録の栄養士としてキャリアを始めたばかり。栄養科学の学士号と栄養学の修士号を保有。現在は、スポーツサプリメントの健康・フィットネスへの使用について、科学的根拠に基づいた調査・研究を行なっています。*UKVRN:英国における栄養士の登記簿。登録には高い専門性と能力が必要。
また、エクササイズや健康的なライフスタイルのための栄養科学を専門としていることから、ヴォーグ、エル、グラツィアなどの有名オンライン雑誌に栄養士として登場しています。
これまで、NHS(イギリスの国民保健サービス)と協同で食生活への介入研究を行ったり、オメガ3脂肪酸サプリメントについてや、ファストフードが健康に及ぼす影響についての学術研究など、幅広い経験を積んできました。特に後者に関しては、毎年開催されるNutrition Society Conferenceで発表も行いました。さらに、プロ養成のために開催されるイベントにも多く出席し、常に高い専門性を維持しようと努めています。
ジェニファーについて詳細は、こちらをご覧ください。
プライベートでは、ヒルウォーキングとサイクリングの愛好家。SNSを通じて、我慢しなくても健康的な食生活が送れることを広めています。