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BMR(基礎代謝量)とTDEE(1日の総消費カロリー量)の重要性と、その計算方法を徹底解説!

BMR(基礎代謝量)とTDEE(1日の総消費カロリー量)の重要性と、その計算方法を徹底解説!
Jennifer Blow
作成者5年 前
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体重を減らそうとした経験がある人なら、カロリー計算のことは耳にしたとがあるでしょう。しかし、それは本当に単純な摂取カロリーと消費カロリーだけの簡単な話なのでしょうか?

簡単に言うと答えは「イエス」です。もし体が消費するカロリーより多く摂取すれば、余分なエネルギーは体脂肪として蓄積されます。そしてそれが長期間に渡ると望まない体重増加を引き起こします。あなたが摂取するエネルギーは直接あなたの体組成に影響を及ぼします。そのため、あなたは毎日どのくらい食べるべきなのかを知る必要があります。

でもさらに詳しく言うと、上記は事実なのですが、体重管理や無駄のない筋肉の維持に影響する要素はその他にもいくつかあります。それについては、あなたの体がどのくらいのカロリーを必要をしているかを計算した後に触れていきましょう。

この記事でわかること:

エネルギー消費量とは?

  • エネルギー消費量はあなたの体が呼吸や心拍、様々な代謝プロセスなどの体の機能の維持のため、日常の活動や身体活動の際に消費するエネルギー量のことです。
  • このエネルギーは食べ物から摂取する必要があります。一般的に、食べ物からのエネルギーは“キロカロリー(kcal)”または単にカロリーと略して呼ばれています。
  • 体重を維持するには体が消費するカロリー量と同じ量のカロリーを摂取する必要があります。これは「エネルギーバランス」と言われています。

BMR(基礎代謝率)とは?

  • BMRとは基礎代謝率のことを意味します。これは24時間何もしなくても体が消費するエネルギーの量のことです。
  • つまり、あなたの体が機能を維持するために必要最低限のエネルギー量ということです。
  • 運動や基本的な日常動作で必要なカロリーは含まれていません。

BMRの計算方法

  • BMR はとても便利です。これが計算できれば最低限どのくらいのカロリーを必要としているのかがわかるからです。
  • BMRが分かると日常的な活動や運動を含めて一日にどのくらいカロリーを消費しているかが見えてきます。これがつまりTDEE(総消費カロリー量)のことであり、体重の減量、維持、増量のためにどのくらい食べればよいのかを割り出すのに利用できます。
  • BMR を計算するにはまず自分自身の体重(㎏)、身長(㎝)の単位で測ります。測れたら、下の公式を用いてあなたのBMR を 計算してみましょう。

女性:10×体重(㎏)+6.25×身長(㎝)-5×年齢-161

男性:10×体重(㎏)+6.25×身長(㎝)-5×年齢+5

上の公式はMifflin-St. Jeor方程式(1)を用いています。これはより多く用いられているHarris-Benedict方程式よりも正確であるということが証明されています。
  • 上の公式を用いることであなたのBMRが出せましたねさらに次のステップで日常生活や運動に必要なエネルギー量を含む、あなたのTDEE も計算してみましょう。

TDEE(総消費カロリー量)とは?

  • TDEEとはあなたの総消費カロリー量のことです。これはあなたが基本的な体の機能維持や日常的な活動、運動などの身体的な運動に使うエネルギー(カロリー量)を意味します。
  • TDEE を計算できれば、あなたの目標に応じて、体重の維持や減量、または増量にどのくらい食べ物(カロリー)を摂取すればよいのかがわかるため、とても便利です。
  • 平均的なTDEEは女性で1日2,000kcal、男性で1日2,500kcalと言われていますが、実際にはすべての人に当てはまるTDEEはありません。
  • TDEE値は一人ひとり異なります。というのも、年齢や性別、身長、体重、遺伝、さらに活動レベル(普段どのくらい動くのか)などたくさんの要因が、体のエネルギー消費量に影響を及ぼすためです。

TDEEの計算方法

  • まず、あなたの基礎代謝率(BMR)を計算する必要があります。BMRは24時間の間、何もしなくても消費するエネルギー量で、上のセクションで計算できます。
  • BMRが計算出来たら、あなたが一日を通して行う活動に基づいてTDEEを計算できるようになります。
  • TDEEを計算するためには、あなたが一日を通して行う活動に目を向ける必要があります。これはよく身体活動レベル(またはPALと略される)計算は単純で、あなたのBMRに下の表のあなたの日常的な活動に最も当てはまるPALの数値をかけるだけです。
活動レベル

活動レベル平均値

この数値×BMR=TDEE

*座りがちまたは軽く動く程度 1.5
**活動的または適度に動く 1.8
***活発で非常に活動的に動く 2.2
資料:FAO(2004)(2)

* 座りがち、または軽く動く程度:デスクワークなどあまり体を動かす必要がない仕事をしている人、長距離を歩かない人、移動手段として自動車を利用している人、普段運動やスポーツをしていない人、多くの時間をほとんど動かずに座って、または立って過ごす人。**活動的または適度に動く:そこまで過酷な重労働ではないが座りっぱなしの仕事よりは動きのある仕事をしている人。例えば、建設現場で働く人や農作業をしている人。逆に、普段座りがちな仕事をしているが一日一時間程は精力的に運動・スポーツに励んでいる人。***活発で非常に活動的に動く:普段から数時間に及ぶ過酷な労働や身体活動をしている人。例えば、1日に2時間以上泳ぐ水泳選手や軍隊に従事している人、作業の大部分を機械を使わずに手作業で(長距離を歩いたり、思い荷物を運んで)行っている農家の人。

上の表の最もよくあてはまる身体活動レベルを自身のBMRと合わせて計算し、自分のTDEEを割り出すことができたでしょうか?これがまさに、今あなたが体重を維持するのに毎日摂る必要があるカロリーです。

体重を減らすには(減量)

体重を減らすには、自身のTDEEから500kcal程マイナスして、体が蓄積された体脂肪をエネルギーとして使える状態にすることがよく推奨されます。

体脂肪1ポンド(約0.5㎏)あたり約3,500kcal程あるといわれているので、TDEEマイナス500kcal摂取を7日間続けると理論上1ポンドの体脂肪が減ることになります。しかしこれは100%正確ではありません。というのも、カロリー不測の状態では体は筋肉もエネルギーとして使うので、徐脂肪組織(筋肉含む)も同時に減ってしまう可能性があるということです。

減量中の筋肉の減少を最小限にとどめる方法として以下の二つがよく知られています。

  • 十分なタンパク質の摂取(3).(4)
  • ウェイトトレーニング(5)

十分なタンパク質の摂取とウェイトトレーニングは筋肉の成長を促すことで知られています。要するにこれは、カロリー制限をしている期間に失われる筋肉量を減らすということです。

さらに、減量が長期間に渡ると、体は少ない食事に慣れてきて減量のスピードが停滞することがよくあります。これは体が飢餓に陥った時に働く省エネモードになっている状態ですので、残念ですが、減量はいつもスムーズにすすむとは限りません。

それでも、根気強くつづけることです。もし減量がうまくいっていない、進歩が見られないというのであれば、運動や食事の内容を見直す必要があるかもしれません。

体重を増やすには(増量)

体脂肪は気にせず、筋肉をつけることだけを目標といていますか?その場合は、ご自身のTDEEより多く食べる必要があります。

TDEEプラス250-500kcal程度を一日に摂ることで筋肉はついてきます。もちろん十分なタンパク質の摂取と筋合成促進のためにウェイトトレーニングを行うことが前提です。数週間に一度体を測って筋肉量の増加を記録することは良い方法です。もし何も変化が見られなければ(体の反応は人それぞれです)、健康的な食品で少し摂取カロリーを増やし、トレーニングの量も増やしたうえで、変化を観察、状況に応じて調整してください。

体脂肪を減らすことと筋肉のをつけること両方望むのであれば、どちらか一方ずつ取り掛かるほうが良いでしょう。同時に両方を達成しようとすると両方とも最大限の効果が出ない可能性があります。同時に両方の達成が可能であることを証明した研究もありますが、それにはかなり厳しい食事制限とトレーニング内容の両立が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?目標に向かって闇雲に突き進むのではなく、まず現状を把握することが大切な一歩になります。体重と身長、それに加え日々の活動量、そして消費するエネルギー量を計算することから始めましょう!

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本記事は情報提供および知識向上を意図としたものであり、専門的な医療アドバイスを目的としたものではありません。ご自身の健康に何か懸念がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。

本記事は情報提供および知識向上を意図としたものであり、専門的な医療アドバイスを目的としたものではありません。ご自身の健康に何か懸念がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。

1. Mifflin, M. D., St Jeor, S. T., Hill, L. A., Scott, B. J., Daugherty, S. A., & Koh, Y. O. (1990). A new predictive equation for resting energy expenditure in healthy individuals. The American journal of clinical nutrition51(2), 241-247.

2. “Human energy requirements: Energy requirements of adults” (2004). Report of a Joint FAO/WHO/UNU Expert Consultation. Food and Agriculture Organisation of the United Nations.

3. Morton, R. W., Murphy, K. T., McKellar, S. R., Schoenfeld, B. J., Henselmans, M., Helms, E., … & Phillips, S. M. (2018). A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. British Journal of Sports Medicine, bjsports-2017.

4. Babault, N., Deley, G., Le Ruyet, P., Morgan, F., & Allaert, F. A. (2014). Effects of soluble milk protein or casein supplementation on muscle fatigue following resistance training program: a randomized, double-blind, and placebo-controlled study. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 11(1), 36.

5. Yarasheski, K. E., Zachwieja, J. J., & Bier, D. M. (1993). Acute effects of resistance exercise on muscle protein synthesis rate in young and elderly men and women. American Journal of Physiology-Endocrinology And Metabolism265(2), E210-E214.

Jennifer Blow
作成者
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ジェニファー・ブロウ(Jennifer Blow)はマイプロテインの編集者で、UKVRN*登録の栄養士としてキャリアを始めたばかり。栄養科学の学士号と栄養学の修士号を保有。現在は、スポーツサプリメントの健康・フィットネスへの使用について、科学的根拠に基づいた調査・研究を行なっています。*UKVRN:英国における栄養士の登記簿。登録には高い専門性と能力が必要。

また、エクササイズや健康的なライフスタイルのための栄養科学を専門としていることから、ヴォーグ、エル、グラツィアなどの有名オンライン雑誌に栄養士として登場しています。

これまで、NHS(イギリスの国民保健サービス)と協同で食生活への介入研究を行ったり、オメガ3脂肪酸サプリメントについてや、ファストフードが健康に及ぼす影響についての学術研究など、幅広い経験を積んできました。特に後者に関しては、毎年開催されるNutrition Society Conferenceで発表も行いました。さらに、プロ養成のために開催されるイベントにも多く出席し、常に高い専門性を維持しようと努めています。

ジェニファーについて詳細は、こちらをご覧ください。

プライベートでは、ヒルウォーキングとサイクリングの愛好家。SNSを通じて、我慢しなくても健康的な食生活が送れることを広めています。

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