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サプリメント

5-HTPサプリメント | 効果や効能は? 副作用は? 摂取量は?

複雑な名前の付いた5-ハイドロキシトリプトファン (5-HTP) をご存知でしょうか?大きな可能性があるにもかかわらず、ヘルスメディアでもっと人気を得ていないサプリメントのひとつです。

そのメリットが機能的な向上ではなく根本的にリラックスのためにあるという事実から、5-HTPは変わったサプリメントです。本質的には、これはサプリメントというよりも擬似薬に近いものでしょう。

この記事では、5-HTPサプリメントの使用で発揮しうる効果・効用を解説していきます。

5-HTPとは何か?

5-HTPはアミノ酸ではありません。しかし七面鳥や牛乳などのタンパク食品に自然発生する、アミノ酸L-トリプトファンでできています。けれども、5-HTPは私たちが食べる食品には含まれていません。そのため、L-トリプトファンから合成されるか、サプリメントとして摂取される必要があります。このサプリメントは通常、グリフォニア・シンプリシフォリアと呼ばれる特定のアフリカハーブから生産されます。この低木は、サプリメント用途のために採集できる5-HTPを約20%含んでいます。

ではなぜ、私たちは5-HTPを摂りたいのでしょうか? その答えは、セロトニンです。

セロトニンとは?

セロトニン (または5-ヒドロキシトリプタミン)  について、どこかで聞いたことがあるかもしれません。中枢神経で神経伝達物質として使われ、睡眠の調整、うつや不安感を含む多くの機能に役割を担っている物質です。それは、幸福感や健康状態との関係性から「幸せホルモン」と言い表されてきました(1)。

うつ病と診断された人々によく処方される薬に、SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬) があります。この薬は、シナプス (2つの神経間の接合点) から隣接する細胞へのセロトニンの吸収 (または移動) を止めます。それによって受容体に結合できるセロトニンが多く残り、脳と神経系統がそれらを利用するのに十分な供給を確保できます。

5-HTPはセロトニン生産の前駆物質であり(5)、つまり体内でのセロトニンの生化学合成に必要な要素です。5-HTPは、芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素 (AAAD) と呼ばれる酵素が起こす化学反応によって、セロトニンへと変わります。

この事が重要なのは、セロトニンそのものを薬として飲んでも効果を発揮しないためです。この神経伝達物質は血液脳関門を通ることができず、脳に使われることができません。しかし、5-HTPは脳関門を通ることができます (2)。

そこであなたの選択肢は、L-トリプトファンの摂取か (その後に5-HTPに変換しますが、エネルギーを消費します)、サプリメントの形での5-HTPそのものの摂取になります。

L-トリプトファンそのものを摂取するもう一つの欠点は、腸内吸収の間に起こる他のアミノ酸の影響です。このアミノ酸を使用してタンパク質を生産し、セロトニン生産の能力を減らしてしまうのです (2)。5-HTPは輸送分子を必要としないので、吸収の間にこのような影響を受けません。経口サプリメントとして5-HTPが飲まれた場合、約70%がセロトニンへと変換されるべく血流に乗ります (3-4)。

セロトニンを気にするのはなぜ?

抗うつ治療におけるセロトニン増幅剤としての5-HTPの使用が検討されてきていますが、その点はここでは言及しないでおきます。抗うつ剤としての効能は、5-HTPの力のほんの一角でしかないのです。それどころかそのメリットは広範囲に渡り、疼痛障害、肥満や不眠症とさえ関連する過食など、様々な問題に効果的な治療薬として使用されてきています。それらについて、さらに紐解いていきたいと思います。

5-HTPサプリメントで痩せる?

多くの情報筋が減量に役立つ5-HTPの栄養メリットを解説しています。それは科学的に信用できると言えるでしょう。

例えば、ある研究では (6) BMI値30から40の19人の肥満女性を対象に、交差二重盲検試験が採用されました。参加者は5週間毎日、体重1kgあたり8mgの5-HTPのダイエットサプリメントか、L-トリプトファン1回分、またはプラシーボを与えられました。彼女たちの食生活は、他の点では変更も制限もされませんでした。

参加者の摂食行動は質問表で計測され、3日間の食事日記からは食べたものが記録されました。その結果、5-HTPはプラシーボと比較して、摂食量の減少と大幅な減量を引き起こすことの両方に貢献したことが分かりました。

それどころか、L-トリプトファンとプラシーボに比べて3倍の有効性が見られたのです。調査からは、セロトニンの増加 (気分には全く変化を与えない一方で) が食欲を減らすよりも満足感を高めた、 と結論づけられました。

同じような二重盲検設計が取られた実験が、もう一つあります (7)。そこでは、20人の肥満参加者グループを対象に、日々900mgの5-HTPとプラシーボサプリメントの効果を評価しました。研究者は、より長い期間の有効性を計測するために、このグループを2連続した6週間に渡って調査しました。

第一期間 (前半の6週間) には食事制限はなく、第二期間 (後半の6週間) には1,200キロカロリーの食生活が推奨されました。その結果は、まさに驚くべきものでした。まず、5-HTPのグループには炭水化物摂取量の低下と、早い段階で食事に満足している様子が比較的安定して見られました。そして5HTPグループ全体では、12週間で平均4.7kgの体重減少につながりました。これは減量率で言うと4.5%です。プラシーボのグループで観察された減量率は、たった1.3%でした。

整理すると、5-HTPグループの第一期間中の体重低下率は1.5%で、第二期間中が3%でした。そのそれぞれが、全体を通してプラシーボのグループに見られたよりも大きな変化だったのです。 動物実験では、摂食量は5-HTPの摂取量に依存することが観察されています (8)。そして結果は、2型糖尿病を持った参加者を含む実験で再現されました (9)。

なお、ストレス性過食は5-HTPを摂ることで緩和できます (10)。このことは、過食のように食にまつわる有害な行動を治療によって減らすことができる、というメリットに注目を集めてくれるかもしれません (11)。

睡眠補助剤としての5-HTPサプリメント?

セロトニンは睡眠に関して、やや議論の対象となりがちな、あるいは紛らわしくも思える役割を持っています。

様々な神経伝達物質 (セロトニンを含む) が、私たちの睡眠サイクルを助けていることは広く知られています。そして初期の研究は、セロトニンが「眠りに落ちる」能力、つまり人を深く眠らせるという行動を起こす能力に、特に影響していると示唆しました (12)。

しかしながら、その先の研究結果には困惑させられます。そのほとんどが、セロトニンがどのように、私たちが目覚めた状態に留まり機能するのを助けているか、説明するものだからです。セロトニンは、アセチルコリンやノルアドレナリンのような他の化学物質と作用して脳の反応を促進し、睡眠を促進する脳幹の部分を抑制するというものです (12)。

なぜ、睡眠改善薬として5-HTP を使うのか?

さて、他の研究では、脳内セロトニンレベルを下げるのにパラクロロフェニルアラニン (cPA) と呼ばれる化学物質を使用すれば、完全な不眠症になることが明らかになっています (13)。 さらなる研究では、この効果は5-HTPを摂取することで取り消されると分かっています (14)。

これはセロトニンと、睡眠サイクルの特定の段階であるレム睡眠との関係から説明することができます。レム (急速な眼の動作) 睡眠とは睡眠サイクルの構成要素で、ランダムな眼の動きとレム無緊張症 (筋肉の麻痺と筋緊張の低下) がその特徴です。これはまた、私たちが最も鮮明に夢を見る段階ですが、5-HTPを摂取した後に見る夢はとてもはっきりしていることが頻繁に報告されています。

レム睡眠は通常、私たちの睡眠サイクルの5から20%を構成していて(17)、その不足は、うつ、怒り、摂食障害につながることがあります (16)。

✓ 5-HTPを摂取すると、レム睡眠の持続時間は全体サイクル中5%から53%という大規模な増加を起こすことが研究で判明しています (15)。

✓ レム睡眠中に起こる絶対的な筋肉のリラクゼーションは、ベッドからより良い気分で起き上がれることを意味します。それは、起き上がった時に身体機能が高まっているので、目覚めに対して十分に準備が整っているという意味なのです (17)。

しかしそれが全てではありません。5-HTPは、睡眠に関するメリットを他にも有していることがわかってきました。それには、睡眠に入るまでにかかる時間の減少 (18-19) 、夜間に目覚める回数の減少 (18) 、睡眠持続時間の増加 (19)、そして睡眠の質の改善 (19) が含まれます。

5-HTPサプリメントで鎮痛できる?

治療を目的とした5-HTPのもう一つの用途は、線維筋痛症の症状緩和です。線維筋痛症は、様々に異なる部位の痛み、疲労、こわばり、に特徴づけられる筋骨格異常です。また、睡眠障害と感情的または精神的な問題も関わりがあります (例: うつ病)。

しかし線維筋痛症には、多様で独特の症状が含まれます。そして診察で、痛む場所を複数箇所訴える患者にもつけられる病名です (21)。この病名は症状の症候群としてつく、「包括的診断」と言えるかもしれません。

✓ 最近になって、神経生理学研究は、線維筋痛症は中枢性感作と呼ばれる神経生理学的現象による、多数の慢性的疼痛障害に根本的によく似たものではないかと述べています (22-23)。これはごく簡単に言うなら、神経系統の中で変化が起こる場所が、刺激に対してより敏感になっているということです。特定の侵害受容 (痛みを生じる) 刺激なしに起こる痛みの増加が、続いて起こる結果です。

✓ 臨床試験は、5-HTPを使っての痛み、不安感、疲労の軽減に著しい成果を見せてきています (24-25)。

5-HTPが関節の症状に効く?

International Association of the Study of Painの発表によれば、全人口中22.7%が「医師によって診断された」関節炎を持ち、そのうち9.8%は日々の活動を何がしら制限されています (26)。これはさらに、10-15%が骨関節炎を持ち (イギリスでは850万人) 、そしてその1%が全身のリウマチ性関節炎を持つ、と読み解くことができます。

動物をモデルに行われたある実験では、関節炎からの関節の損傷に対して5-HTPの効果が検証されました。その結果は、疾患と炎症の緩和を指摘するものでした (27) 。これは、世界的に蔓延している筋骨格関節障害の治療のためにこの物質を用いるという、興味深い可能性を示すものです。

このような発見は、将来さらなる科学的調査とともに発展するかもしれない、5-HTPによる恩恵を垣間見せてくれます。

5-HTPサプリメントの摂取量目安

大多数の症状に用いられる服用量は、1日あたり300から900mgとされています。
実験的調査では、用いられた服用量の平均は200から300mgで、それらは常に日に3回に分けて摂取されました (5)。

最も幅の広い服用量はうつ病に用いる場合で、最低で20mgから最高で2400mgが使用されました (28-29)。

✓ 減量のための服用量は300mgから900mgの間 (7)。しかし、体重1kあたり8mgの概算を使ってより正確な推測値を得ることができます (6)。

✓ 睡眠補助には、3回に分けて600mgを摂るのが最良と見なされます (15)。
線維筋痛症の症状に関しては、研究は一貫して1日あたり300mgの服用を推奨しています (24-25)。

5-HTP サプリメント の安全性と副作用

約20年の間、5-HTPサプリメントは世界的に販売され、消費されているにも関わらず (5-HTPを治療薬として提供した科学的研究も大量に発生しました)、この化合物の安全性と毒性に関する証拠は何もありません (30)。さらに、1年間最大 (限界値) 服用量を与えられたラットは、病理的な生理学的兆候を何も見せませんでした (30)。

しかしならが、このサプリメントが中枢神経系の健康と機能に干渉すると見られる事実がある以上は、いくつか特定の配慮がなされるべきです。

免責事項
1) この記事は、臨床的うつ病が市販の5-HTP摂取で治療されるべきだと提案するものではありません。あなたが自身の健康に関して心配していたり不安があったりする場合は、どのような問題も一般開業医にご相談ください。5-HTPは抗うつ剤として効果を発揮するかもしれませんが、あなた個人に対する適性は別途見極められる必要があります。

2) もしもあなたが精神に作用する薬 (処方薬もしくはそれ以外)を使っている場合、医師による指示がない限り決して5-HTPを使わないでください。脳内で化学物質が混ざるのは良案とは言えません。

3) 胃腸の不快感や吐き気を含む副作用が起こりえます。それらは使用が続いた後には和らぐか、止まります。たまに、頭痛または心臓の動悸が起こることもあります (5)。もしも症状が耐えられない程に感じられたなら、サプリメントの摂取を止めるだけでそれら症状も止まるでしょう。

4) ごく長い期間の使用 (何ヶ月または1年以上) は、神経系の特定の化学物質 (ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリンなど) のバランスを乱すことが分かっています (29、31)

まとめ

5-HTPサプリメントは、睡眠改善または減量補助を目的とした栄養剤としての使用に最も適しています。一方で、体内でセロトニンの働きを促進することから、それ以外にも幅広く多様な利点が研究によって明らかになっています。

5-HTPがあなたの役に立つと思うなら、試験的に1日に3回、各100mgからを摂取してみましょう。服用量は、あなたの体重1kgあたり8mgを3回に分けた量まで増やせます。数ヶ月使用したら休みを入れましょう。最も重要なこととしては、5-HTPサプリメントを摂るならお体をお大事に、そして睡眠を楽しんでください。


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Dawid Lyszczek

Dawid Lyszczek

New Product Developer & Food Technologist

Dawid Lyszczek is an expert new product developer, food technologist, nutritionist and personal trainer. He holds a bachelor’s degree in Human Nutrition, master’s degree in Food Innovation and Level 3 Certificate in Personal Training. Dawid specialises in evidence-based body-composition nutrition and training for both amateurs and physique athletes, and has been involved in sports nutrition and weight training for over 15 years. Dawid is also a former competitive bodybuilder, UKBFF British Finalist in “Intermediates Over 90kgs” Class of 2013, as featured in Flex magazine. Dawid’s academic area of interest has involved both the role of meal frequency on body composition, and also functional food development, which you can find out more about here: https://www2.mmu.ac.uk/news-and-events/news/story/?id=4504. In his current role, Dawid bridges the gap between sports nutrition and food technology, bringing in academic experience backed by real life practice that produces results. You can find out more about Dawid’s experience here: https://www.linkedin.com/in/dawidlyszczek/