BCAAって必要？気になる働きを徹底分析

作成者：渡部　早紗（フリーランス管理栄養士）

BCAA（分岐鎖アミノ酸）は、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸から構成されており、筋肉のエネルギー補給に役立つアミノ酸です。BCAAは、筋肉の分解を抑え、回復を促すはたらきが期待されているため、トレーニングの質を高めたいアスリートから特に人気があります。

一方、日常的な運動を行わない方でも、日々の活動やストレスの多い生活環境での栄養サポートとして役立ちます。BCAAについてよく知らない方や、これから試したいと思っている方に向けて、BCAAの気になる働きを詳しく解説します。

BCAAとは？EAAや他のアミノ酸とはどう違う？

BCAA（分岐鎖アミノ酸）はバリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸の総称です。これらは体内で合成できないため、食事やサプリメントから摂取する必要があります。BCAAは筋肉のエネルギー供給やタンパク質の合成を促し、トレーニング後の回復をサポートします。

BCAAと似たアミノ酸の成分として、EAAとHMBがあります。それぞれ異なる働きで筋肉をサポートするため、目的に応じて選ぶと良いでしょう。

EAAは体内で合成できない9種類のアミノ酸を指します。EAAには、BCAAの3つのアミノ酸も含まれており、残りの6つはヒスチジン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファンです。EAAは体全体のタンパク質合成を促進し、トレーニング中のアミノ酸不足を補い、パフォーマンスをサポートします。

一方、HMB（β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸）は、アミノ酸の一種であるロイシンの代謝産物であり、シグナルなどに働きかけて、筋肉の合成を促します。ほかにも、筋肉の分解を抑える働きもあります。

なぜBCAAは重要？BCAAを飲む理由は？

筋肉内の必須アミノ酸のうち、約30～40％がBCAA で構成されているため、必須アミノ酸の中でも特に、筋肉において重要な役割を果たしています。運動中のエネルギー供給や運動後の回復を助け、アスリートのトレーニング効果を高める可能性が期待されているため、BCAAの摂取が推奨されます。

プロテインには多くのアミノ酸が含まれていますが、体内でタンパク質をアミノ酸に分解する必要があるため、吸収速度が緩やかです。一方、BCAAは消化吸収が速く、運動直後にスピーディーに筋肉へ補給されます。これにより、速やかな筋肉の分解抑制や回復のサポートが可能となります。

BCAAは特に筋肉のエネルギー供給や回復に直接関与するため、運動中や運動後など即効性が求められるシーンに適しているといえるでしょう。