一般的なダイエッターの間においても、ダイエット中の停滞期を助ける『チートデイ』が広く知られるようになってきました。
チートデイは、好きなものを思う存分食べられて、ストレス発散の役割もあるため「ダイエット中のご褒美デイ」と誤解している人もいるのではないでしょうか。間違ったチートデイでは、ダイエットの起爆剤になるどころか、足を引っ張ってしまう恐れがあるでしょう。
今回はチートデイの詳細と、具体的なやり方について解説します。
この記事で分かること:
1. チートデイとは?2. チートデイを行うメリット3. チートデイのやり方と摂取カロリーの目安4.チートデイの頻度・周期5.チートデイの注意点6.まとめ
チートデイとは?
チートデイの「チート(cheat)」とは「騙す、ズルをする」という意味であり、わざと摂取カロリーを増加させて身体を騙し、停滞しているダイエットを促すことが目的です。
食事制限を伴うダイエットにおいて、停滞期に入った際にチートデイを実施します。チートデイの日は食事制限を解除し、好きなものを思い切り食べます。
厳しいトレーニングと食事制限をするフィジーク選手などのアスリートをはじめ、一般的な方の間でもチートデイの認識が広がりました。
チートデイを行うメリット
チートデイを行うメリットを解説します。真面目に減量に取り組んでいる場合、チートデイに対して罪悪感や抵抗感を持つ場合があるでしょう。
減量を促すことができ、さらにダイエット中のストレス解消にもなるチートデイのメリットを知ることで、前向きにチートデイに取り組めます。
停滞期解消
チートデイを取り入れることで、停滞期の解消が期待できます。
食事制限を行うと、ヒトの身体は飢餓状態であると勘違いし、生命を維持するために少ないエネルギーで今までの状態を維持できるように、食べ物からの栄養吸収を高めようとします。その結果、食事制限を行って順調に痩せていても、途中で停滞期に入ってしまうことがあるのです。
チートデイを取り入れて、「今は飢餓状態ではない」と身体を騙すことで停滞期から脱出して減量を継続させることが期待できるでしょう。
不足しがちな栄養素の補給
チートデイの導入によって、ダイエット中に不足しがちな栄養素を補給できるでしょう。
食事制限を行うと、健康維持に必要な栄養素が不足することがあります。例えば、腸内環境のために必要な食物繊維や、エネルギー代謝における補酵素であるビタミンやミネラルなどです。
毎日の食事で必要な栄養素を全て網羅することが理想的ですが、食事制限によって難しい場合もあるでしょう。チートデイを上手に活用することによって健康的なダイエットが目指せます。
ストレス解消
チートデイのメリットとして、ストレスの解消があります。
ダイエット期間中は思うように好きなものが食べられず、ストレスを感じることがあるでしょう。チートデイを取り入れることで、小さなゴールを作ることができ、ダイエット中の辛さを和らげることが期待できます。
ストレスを上手に解消させることで、ストレスによるドカ食いを防ぐことができ、ダイエットのモチベーションを維持できるでしょう。チートデイのやり方と摂取カロリーの目安
チートデイのやり方と摂取カロリーの目安について解説します。
基本的に好きなものを食べる日ですが、単なるご褒美の日にならないように、チートデイに摂取するカロリーを計算し、やり方を守って行いましょう。
また、ダイエット中に不足しがちな栄養素が補給できるおすすめの食べ物をご紹介するので、何を食べようか迷った際の参考にしてみてください。
チートデイのやり方
ダイエットの停滞期に1日だけ行います。
基本的には停滞期に実行しますが、難しい場合は後ほど紹介する頻度と周期を参考にしてチートデイを設けましょう。
1食だけではなく、3食をチートデイとして好きなものを食べますが、チートデイ以降はもとの減量食に戻しましょう。
チートデイの摂取カロリーの目安
チートデイの摂取カロリーの目安は、自分の基礎代謝量もしくは自分の体重から計算できます。
基礎代謝量から求める場合は、自分の基礎代謝量×3kcalを目安にしましょう。
例えば、基礎代謝量が1500kcal/日の人の場合は1500(kcal/日)×3kcal=4500kcal
1日あたり4500kcalとなり、直径20㎝のピザおよそ5枚分に相当します。(1枚870kcalとして計算)
体重から求める場合は、自分の体重×40〜50kcalを目安にします。例えば、自分の体重が65kgの場合は、2600kcal〜3250kcalが目安です。
チートデイに食べるものは?
チートデイは、何を食べても問題ありません。
カロリーを十分に摂って、飢餓状態ではないと身体を騙すことが目的のため、菓子パンや焼肉など、ダイエット中は控えている好きなものを選んでみましょう。
ただし、極端に偏った食事はダイエットだけでなく健康面からおすすめはできません。あくまでダイエット中であることを意識することが大切です。
チートデイにおすすめの食べ物
チートデイは好きなものを食べて問題ありませんが、炭水化物・タンパク質・脂質そしてビタミンやミネラルがバランスよく補えると良いでしょう。
また、チートデイによって日々のダイエットの努力が無駄にならないように食品を選ぶのもひとつです。
チートデイにおすすめの食べ物は、糖質補給なら噛み応えのあるフランスパンやベーグル、タンパク質補給ならステーキや焼肉などの肉類などです。甘いものが食べたいときには、ビタミンや食物繊維がとれる果物や、脂質が少ない和菓子を選ぶと良いでしょう。また、砂糖の使用を抑えた高タンパクのプロテインおやつやプロテインバーの活用もおすすめです。
チートデイの頻度・周期
チートデイはどれくらいの頻度でやれば良いか気になるでしょう。
一般的には、減量が停滞しているときに行うものです。しかし、ある程度制限を設けないとチートデイと称して好きなものを食べる日が増えてしまう恐れもあるでしょう。そこで、チートデイを行うタイミングをご紹介します。
①ダイエット停滞期に行う
チートデイの本来の目的である停滞期の起爆剤として行うためには、ダイエットの停滞期のみ設けるようにしましょう。
一般的なダイエットの停滞期の期間は、2週間から1ヶ月ほどです。順調に減量していたのに、2週間ほど減量が滞った場合などは停滞期といえるでしょう。
ただし、期間を設定しないとストレスが溜まって辛い場合や、ゴールが見えなくてモチベーションが維持できない場合などは、体脂肪やBMIを基に頻度を決めましょう。
②体脂肪率から頻度を決める
自分の体脂肪率から頻度を決めてみましょう。
具体的な体脂肪率と頻度は下記の表を目安にしてみてください。
【体脂肪率とチートデイの頻度】
男性(体脂肪率%) |
女性(体脂肪率%) |
チートデイの頻度 |
15%~20% |
25%~30% |
2週間に1回 |
10%~15% |
20%~25% |
10日に1回 |
10%以下 |
20%以下 |
1週間に1回 |
③BMIから頻度を決める
自宅に体脂肪計がない場合などは、BMIから頻度を決めてみましょう。
BMIとは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求めることができます。
【BMIとチートデイの頻度】
BMI |
チートデイの頻度 |
23~25 |
1ヶ月に1回 |
22~23 |
3週間に1回 |
20~22 |
2週間に1回 |
20以下 |
1週間に1回 |
チートデイの注意点
ダイエット成功のために、チートデイを行う上での注意点を知っておきましょう。
チートデイを単なる食べ放題の日にしない
チートデイは、リミットを外して暴食することではありません。プラス数百キロカロリー程度にして、週のトータルではダイエット食であることが重要です。
SNSなどでボリュームのあるチートデイの食事を見かけることがあるかもしれませんが、トレーニングの有無によって消費エネルギー、つまり必要エネルギー量が異なることも念頭に入れておきましょう。
週1で食べ放題の日のような極端なチートデイを設けると、身体に負担がかかってしまいます。
チートデイ以外の日は食事内容を整える
チートデイ以外の日は適切な食事制限を行いましょう。
チートデイは1日限定で行うものです。食べ物の誘惑に負けてしまうとせっかくの努力が無駄になってしまったり、ダイエットの妨げになってしまったりします。チートデイの導入によって今までの努力が無駄になってしまうことがないようにしましょう。
普段の食生活をストイックにすることで、チートデイの本領が発揮されます。
ご褒美目的や無計画なチートデイを設定しない
ご褒美目的としてチートデイを行わないようにしましょう。チートデイとは、そもそも厳しいトレーニングと食事制限を行うアスリートのためのものです。
そもそもチートデイは減量の停滞期を救う目的のため、ダイエットを始めたばかりでまだ痩せ続けている場合や、食事制限を設けていないダイエットの場合はチートデイは不要といえるでしょう。
また、「今日は食べ過ぎたからチートデイ」「ダイエットが辛くて好きなものを食べたいからチートデイ」など無計画なチートデイの設定は、メリハリがなくなりダイエットの足を引っ張ることになるでしょう。
まとめ
チートデイの内容とメリット、そして具体的なやり方について解説しました。
単なるご褒美の日ではなく、頻度や内容に配慮しつつチートデイを設けることで、ダイエットを加速させることができ、さらにストレス解消も期待できます。真面目に食事制限をしていても停滞期に入っている人の場合、チートデイを取り入れてみてはいかがでしょうか?
ご紹介したチートデイのやり方と頻度・周期を参考にしながら、無理なくダイエットを継続させていきましょう。 本記事は情報提供および知識向上を意図としたものであり、専門的な医療アドバイスを目的としたものではありません。ご自身の健康に何か懸念がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。