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筋トレ

【肩の筋トレ】僧帽筋の効果的な鍛え方7選をプロが解説

【肩の筋トレ】僧帽筋の効果的な鍛え方7選をプロが解説

たくましい上半身といえば、厚い胸板や広い背中、大きな肩が注目されがちですが、それらと同じくらい上半身の見た目に影響するのが首~肩にかけてのラインです。

服を着ていても見える首や肩の上部を鍛えることで、上半身の見た目をさらにたくましく見せてくれます。

今回は太い首や盛り上がった首~肩のラインをつくる「僧帽筋」のトレーニング方法を紹介していきます。

 

僧帽筋とは?

僧帽筋は首・肩・背中に走行している大きな筋肉です。

頭蓋骨の後ろから背骨・鎖骨・肩甲骨などに付着し、首の後ろを広がるように走行している僧帽筋は、それぞれの場所によって上部・中部・下部と分けることができ、それぞれの働きも異なります。

 

・僧帽筋上部は、肩をすくめるなど「肩甲骨を上に引き上げる動作」で力を発揮しています。

・僧帽筋中部は、胸を張るなど「肩甲骨を内側に寄せる動作」で大きな力を発揮します。 

・僧帽筋下部は、肩を落とすなど「肩甲骨を下に下げる動作」で力を発揮しています。

 

それぞれ別の働きがありますが、同時に力を発揮することで肩甲骨を安定させ固定する働きも持っています。重い物などを持ち上げる時などに、僧帽筋が働くことで肩甲骨が固定され強い力を発揮することができるのです。

 

僧帽筋を鍛えるメリット

僧帽筋を鍛えることで、体づくりはもちろん、そのほかにもメリットを得ることができます。

 

太い首、大きな肩、厚みのある背中になる

 

僧帽筋を鍛えると、首や肩、背中にかけての筋肉の厚みを出すことができます。

がっちりとした首回りや広い肩、厚みのある上背部などには僧帽筋の筋肥大が欠かせません。

女性の場合は、首が太くなりたくない、厚みのある背中はいやだ…と思う方もいるかもしれませんが、大丈夫。女性は男性に比べ筋肥大しにくいので心配はありません。僧帽筋を鍛えることで、首から肩にかけてのラインをすっきりとみせたり、うなじがキレイになり前からも後ろからも魅力的になります。

 

ほかのエクササイズにも良い影響をもたらす

 

僧帽筋を鍛えることで、重いウエイトを持つことができるようになります。

 

重いウエイトを保持するには、しっかり肩甲骨を固定することが重要。肩甲骨の固定が重要なスクワット、デッドリフトなどの種目や、肩甲骨の動きが重要なチンニングなどのエクササイズの挙上重量も高まり、トレーニングの質が向上します。

 

姿勢の改善

 

肩甲骨を寄せる働きを持つ僧帽筋中部の筋力が低下すると、肩甲骨が外に開きやすくなります。

そうなると起こるのが「猫背」。僧帽筋を鍛えることで、猫背を予防・改善することができ、良い姿勢を保つことができるようになります。

 

肩こりの改善

 

実は多くの人が僧帽筋に関係する体の症状に悩まされています。

それが「肩こり」。皆さんが肩こりを解消しようと、肩を揉んだり叩いたりしている部分が僧帽筋上部なのです。

肩こりは、姿勢の維持やストレスなどによる僧帽筋の緊張によって起こる場合がほとんどです。

僧帽筋を鍛え筋力を高めることで、腕の重さのストレスをやわらげ、肩こりを予防することができます。また、エクササイズによって肩甲骨周辺の筋肉を動かすことで、血行が改善され肩こりの改善につながります。

 

僧帽筋の筋トレ

 

では僧帽筋を刺激するエクササイズを紹介していきましょう。

その前に、僧帽筋を鍛えるうえで大事なポイントを紹介します。

 

・僧帽筋は高強度で鍛える

僧帽筋は、大きな力を発揮することができます。そのため、トレーニングも高負荷で行う必要があります。

 ・上部・中部・下部を意識して鍛える

僧帽筋の上部・中部・下部は、それぞれ異なるエクササイズで鍛えることができます。どのエクササイズが僧帽筋のどこを刺激するのかをしっかり理解して、意識しながら取り組むようにしましょう。

・目的に合わせた負荷設定

運動初心者や肩こり改善など、筋持久力を向上させる場合は12~20回程度で限界を迎える負荷設定で、

筋肉量を増やしたい、大きな肩を作りたいなど筋肥大を目的とする場合は、8~12回程度で限界を迎える重量を使うようにしましょう。

 

ダンベルシュラッグ

 

1.足を開いて立ち、両手にそれぞれダンベルを持ちます。

2.肘をまっすぐにしたまま腕をだらんと下し、肩を耳に近づけるようにすくめていきます。

3.いけるところまで持ち上げたら、ゆっくり元の姿勢に戻ります。

4.この動作を繰り返し行います。

 

僧帽筋上部を鍛えるエクササイズです。

しっかり肩を下したところから、肩甲骨を寄せて最大限上げられるところまで肩を上げるようにしましょう。

 

 

シーテッドロー

1.マシンに座ります。グリップは、座ったままではぎりぎり届かないくらいの場所になるようにマシンを調整します。

2.肘を曲げてグリップをひいてきます。この時、肩をすくめないように気をつけましょう。

3.いけるところまで引ききったら、ゆっくり元の姿勢に戻ります。

4.この動作を繰り返します。

 

僧帽筋中部・僧帽筋下部を刺激するエクササイズです。

肩甲骨をしっかり寄せるように意識して動作を行いましょう。

 

 

チンアップ(懸垂)

1.チンニングバーを肩幅にして逆手(バーの下から)で握ります。

2.足を地面から浮かせ、肘をしっかり伸ばします。

3.肘を脇腹にひきつけるように肘を曲げ、体を持ち上げます。

4.いけるところまで持ち上げたら、ゆっくりと肘を伸ばし元の姿勢に戻ります。

5.この動作を繰り返し行います。

 

僧帽筋中部・僧帽筋下部を刺激します。

動作は反動を使わずに行うようにしましょう。体を下した時に肘を伸ばし切るギリギリまで戻すことで、関節可動域を最大限に使い刺激量が増えます。

 

 

バーベルアップライトロウ

1.足を開いて立ち、手を肩幅程度に広げてバーベルを持ちます。

2.バーベルがアゴの下にくるように、肘を曲げながら上げていきます。肘の位置が肩の高さよりも上にくるようにしましょう。

3.アゴの下まで持ち上げたら、ゆっくり元の姿勢に戻ります。

4.この動作を繰り返し行います。

 

僧帽筋上部を刺激します。

本来は肩を鍛える種目なので僧帽筋をつかわないようにするのがポイントですが、僧帽筋を鍛えるためには動作の最後で、僧帽筋を収縮させるように肩をすくめるようにしてみてください。

 

 

ベントオーバーロウ

1.足を広げ、バーベルを持ちます。膝を軽く曲げて立ち、上体を前に倒し、胸をしっかり張ります。

2.脇腹の方向へバーベルを引き付けるように肘を曲げていきます。この時、上体は姿勢を保ったまま動作を行います。

3.上げれるところまで上げたら、ゆっくりと肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。

4.この動作を繰り返し行います。

 

僧帽筋中部・僧帽筋下部を刺激します。

手幅は肩幅よりも拳1個分外で握ることで僧帽筋の下部に、それ以上に広げると僧帽筋中部に効きやすくなります。

 

 

デッドリフト

 1.股関節と膝を曲げ、しゃがんだ姿勢になり、バーベルを持ちます。上体は胸を張った姿勢を保ちます。

2.バーベルを体の前面(スネや太もも)に添わせるようにしながら持ち上げます。

3.立ちあがったらゆっくりとしゃがんでいき、元の姿勢に戻ります。下す時もカラダの前面を添わせながら下していくようにしましょう。

4.この動作を繰り返し行います。

 

僧帽筋全体を鍛えることができます。

デッドリフトで高重量を扱うことで、重量を保持するために僧帽筋が刺激されます。

 

 

まとめ

トレーニングに慣れてきたら、上部、中部、下部と筋肥大させたい部分をしっかり意識してエクササイズを選択するようにすると効率よく僧帽筋を鍛えることができます。

僧帽筋は、背中や肩のエクササイズでも刺激することができますが、しっかり筋肥大を行いたいのであれば僧帽筋をターゲットとしたエクササイズであるシュラッグを積極的に取り入れるようにしましょう。

 

プロスポーツトレーナー歴 20年 プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。

現在、様々なメディアで執筆や商品監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。

2021年 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊。

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