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【湯浅麗歌子選手スペシャルインタビュー|中編】挑み続ける覚悟。

世界柔術選手権4連覇王者

湯浅麗歌子選手スペシャルインタビュー『覚悟。』【中編】挑み続ける覚悟。前編では柔術との出会いから、退路を断つといった大きな決断に至るまでのお話をうかがいました。焦燥に駆られ苦悩する日々においても、あきらめず現状を打破しようとする姿勢こそが師との巡り合い、そして「世界」を呼び込みます。今回は選手権制覇後、挑戦者から王者へと立場を変えたことによる新たな課題や減量への取り組み、そして大好きなお料理のことなどをうかがいました。(取材協力/GRABAKAジム東中野 カメラ協力/森二朗)

挑戦者から王者へ

--2014年茶帯で世界柔術選手権を制覇した後、翌2015年から今年に至るまで黒帯4連覇。「世界チャンピオンになる!」と宣言して本当にチャンピオンになりました。挑戦する立場から今や守る立場となりプレッシャーをお感じになることはありませんか。

2015年、ライトフェザー(-53.5キロ)級で優勝した後ですね。先生から「今までのようにお前を教えられない」と言われて。えっ!と。でも考えたら当たり前なんです。私との練習では1年近く付きっ切りで教えてくださったので、先生自身も選手として活動したかったんですよね。チャンピオンになったのだから自分で考えて練習しなさいと言われました。それまではキツさはありましたがある意味、先生に言われたことだけをやっていればよかったわけで。

--まったく環境が変わったわけですね。

先生には週に数回見ていただくものの、はたしてこのメニューでいいのだろうかと悩みました。さらに翌2016年は階級を下げてルースター(-48.5キロ)級で出場したので、減量も初めての経験でした。この状況で勝つことができ、ホッとしたのを覚えています。

翌2017年はホッとしたこともあり、出場しなくてもいいかなと考えていました。もしくは階級を2つ上げて3階級制覇(ルースター級、ライトフェザー級に続き、-58.5キロのフェザー級での出場)を狙おうかなと。でも思い直しました。天狗になっているなと(笑)そんな簡単なもんじゃないと。これじゃあダメだと初心に帰った結果、同じルースター級で優勝できました。

--2階級制覇、さらには連覇されている中、毎年テーマがあるようにお見受けします。先生との二人三脚に始まり、ご自身でのメニュー立案と減量、そして昨年が原点回帰。

そうですね。今年2018年はもっといい勝ち方をしたいと思っていました(6月に優勝し黒帯4連覇達成)。そんなときにマイプロテインさんからお声がけいただいたんですね(笑)

--そうなんですか。グッドタイミングですね。

それまでサプリメントはほとんど取っていませんでした。体調管理はそれなりに見よう見まねでやってはいましたが、減量中であってもどのようにすれば動ける身体を維持できるのか悩んでいたので、サプリの活用はそのヒントになりました。

減量への取り組み

--減量はどのように取り組まれていますか。

選手権が毎年5月末から6月初旬に開催されるので、年明けから減量に取り組みます。4月までに一度落とし切って、その体重をキープしながら練習し選手権に臨んでいます。落とした体重に慣れる期間が必要なんですね。

食事には気をつけています。外食ですとやはりカロリーが気になります。柔術の計量は試合10分前と直前なので、水抜きや塩抜きといった減量テクニックを使えないんですよ。前日に水抜き、塩抜きを行ってしまうと試合当日のコンディションに不安を残してしまうので。

--選手権を中心に年間のサイクルが作られているんですね。

はい。なので選手権が終わったら年内は食べます! 私、けっこう食べるんですよ(笑)この前もステーキハウスリベラ(外国人プロレスラーが来日の際、好んで訪れるステーキ専門店)でステーキ1ポンド(約450グラム)とライス大盛り、サラダ大盛り、スープを平らげてきました…あっ、もうちょっと食べたかな?(笑)暮れまでは身体を作る期間ですね。

--スゴイ量! でも筋量が多く代謝がよいから太ることはないんでしょうね。

朝起きると800グラムから1キロくらい体重が減っています。今は食べられる時期ではありますが、減量期のことを考え体組成計で身体の各部位の筋量や体脂肪をこまめにチェックするようにしています。

それまでは減量期に入ると風邪を引きやすくなっていました。栄養ドリンクでなんとかしようと思っていましたが、カフェインが入っているため眠れなくなり結局は練習に差支えが出るといった悪循環でした。そんなときマイプロさんのサプリがありがたかったですね。ビタミンやタンパク質、アミノ酸系のサプリなどはリカバリーに重宝しています。またナッツなどもおいしくいただいています。

もう一人の師匠は厨房にいた!?

--ところで料理がかなりお好きとうかがっています。やはりご自身の身体作りがメインになりますか。

自炊は外食に比べたらお金がかからないし、自分の味付けで量もたくさん作れるので(笑)もちろん「血糖値を上げないためにそば粉を使おう」とか考えますよ。血糖値が上がるとお腹も空いちゃうじゃないですか(笑)そば粉なら血糖値が上がりにくく腹持ちがいいんです。でもそば粉は高いのでマイプロさんのオーガニック系商品を利用させてもらっています。

たとえばグラタンを食べたいと思い外食したら、ふつうに400~500kcalはありますよね。でも自分で作ればパスタの分量を調整したり、カロリーを抑えることができます。豆乳と小麦粉とココナッツオイルで作ればバターさえ要らず、低カロリーかつ同じような風味で味わえます。かなり研究しましたよ(笑)

--写真を拝見すると腕前のほどがよくわかります。どれも彩り豊かで美味しそうです!

(うれしそうに)ありがとうございます!  元々作るのが好きで…完全な趣味ですけどお料理は好きです。パンやお菓子も作りますし、特に和食にはこだわってます(ニッコリ)。味付けを濃くしなくても、だしさえちゃんと取ればかなりおいしくなるんですよ。

--料理はいつ頃からですか。

きっかけは居酒屋でのアルバイトです。2015年の選手権後、お金が底を突きてしまい(笑)働かなきゃとなったんですね。知人の紹介で居酒屋で働くことになったんですが、とにかく私、人としゃべるのがすごく苦手で…

--想像できません(笑)

今はこうやってしゃべっていますが、昔の自分を知る人たちからは驚かれますよ。あのコミュ障(コミュニケーションが苦手)の湯浅が!って(笑)なので最初は小声で「皿洗いをやります」とおとなしく言ったんですけど、店長がお客さんの前に連れてって「ウチにチャンピオンがいるんですよ~」と得意げに言うわけです(笑)で、いろんなお客さんと少しずつ話をするうちに、コツというか…自分から話しかけなくても、話したいお客さんには話を聞いてあげればいいし、話したくない人はそ~っとしてあげればいいしと。そうすると自然と質問が出てくるようになり、ふだん思っていたことを口に出せるようになったんです。で、せっかくなら私の知らない世界を知っている人たちと話せたほうがいいなあと思えて、お話するようになりました。

--それとお料理の関係は(笑)

えっと、その店長さんがすっごく料理が上手な人で。ヨーロッパでシェフを経験されたり、ラーメン店をやったりとあらゆる料理に精通していて和洋中なんでもこなすんですよ。で、まかないメシを作る時なんか「これ何の食材、使ったと思う?」と聞いてくるんです。これとこれとこれっ!といった感じで当てっこするのが楽しくて。そのうち、私のレシピで居酒屋メニューを考案したりと楽しかったですね。なので店長は私にとって料理のお師匠さんです!

--そうですか! 湯浅選手が和洋中スイーツとプロ顔負けの料理を作られているので驚きでしたが、納得です。それにしても練習に明け暮れる中、料理の時間は取れますか。

身体のことを考え基本的には毎日作ります。で、セール品を狙っています(笑)豆腐、納豆、卵は私の料理には必ず入っています。あっ、あとささみも。

--そういったお話を聞くと、なんだか味気ない料理になりそうな気がするんですが(笑)全然違うんですよね。料理そのものを楽しまれているような印象を受けます。

楽しんでます!(笑) 実はクックパッドを匿名でやっています!

--ええ~、そうなんですか。でも匿名でなくてもいいのに。

柔術チャンピオンの湯浅麗歌子としてフォローされても全然うれしくないんです。料理は料理で勝負したいわけで。

--負けず嫌いですね~(笑)いや、さすがです。柔術と料理って何か共通する部分があるのでしょうか。

「先を読む」っていうのはありますよね。最後から逆算しています。料理はどういった準備が必要で、どの時間から始めればよいのかなど段取りです。柔術もチャンピオンになるために、逆算して何をやればよいのかを考えてきましたから。似ているといえば似てるかも(笑)

--…もしや理系…?

はい、理系です。工学系の学校に通っていて、一番好きな科目は数学と物理でした。柔術は摩擦が重要で、いかに(自分が)摩擦を少なくして動き、相手には摩擦を増やして(相手の)動きを止めるか。まさに物理なんですね。

サプリメントの活用タイミング

--食事やサプリメントの活用タイミングについてお聞かせください。

私の場合は、サプリをずっと利用していると効果を実感しにくくなるので、体調によって使い分けています。試合はベストな状態で臨みたいですからね。

寝る3時間前には夕飯を終えます。寝るまでの時間は私にとってのゴールデンタイム(笑)マンガを読んだりアニメを観たりするリラックスタイムです。寝る時には既に夕飯は消化されているのでぐっすり眠れます。翌朝は夕飯のエナジーが残っているので、水とカルニチン(脂肪燃焼系サプリ)を飲んでトレーニングに入ります。

試合の3日前からは、糖質の少ないチョコレートと甘さ控えめのあんこ、それにお餅やお米を食べます。海外の試合では餅や米を持参するのでバックがいっぱいになります。大会で勝つためには必要で、こういったことは毎年の経験で進化している感じです。自分の身体のことは自分にしかわからないですよね。アスリートは特にそうかなと思います。

--人の身体は一般論でくくれないところがありますよね。

絶対集中しなければならない時はカフェイン系サプリです。先生の話を聞き逃したくない時、飲んでいくと集中力抜群ですね。それまではコーヒーで代替していましたが全然違います。ただ、選手権優勝者にはステロイド検査があるんですね。そのためカフェイン系含め引っかかる可能性があるようなサプリは専門家に確認し、控えます。いずれにせよサプリは高いですよね。その点、マイプロさんのサプリは品揃えが豊富なうえにコスパがいいので助かってます。お金がかかるってことは働かなきゃいけない、イコール柔術の練習ができなくなっちゃうので(笑)

この中編では世界柔術選手権連覇のお話からご自身の体調管理について、うかがうことができました。お料理の腕前と豊富なレシピは驚きです。既に趣味の域を超えており、なによりお話されているときの楽しげな表情と弾むような声のトーンから、料理大好きオーラがひしひしと伝わってきました。また、料理にも勝負師の顔をのぞかせるあたり、世界チャンピオンの気質の一端を垣間見た気がします。さて次回後編では、衝撃的(?)な今後のビジョン、柔術への想い、そして読者の方へのメッセージをお届けします。
森 和哉
森 和哉 フィジカルデザイナー
国立大学法人熊本大学大学院教授システム学修士。効果・効率・魅力的な教え方を実践できる専門家(Instructional Designer)として、特定非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアム認定eラーニング・プロフェッショナル資格(ラーニングデザイナー、コンサルタント)を持つ。また全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)認定Personal Fitness Trainer(PFT)、Revolution Training System Specialist(RTS)資格を持つ。 30年以上にわたりフィットネスだけでなくニュートリションを含めたあらゆる分野のトレーニングプログラム開発に携わる。活動の原点には、教わる人たちは一人ひとり学習への理解度は異なるといったB・S・ブルーム(Bloom)の学習理論mastery learning(完全個別学習)がある。この理論をフィジカルトレーニングのパーソナライズ化へと再構築し、パーソナルトレーニングの必要性を啓蒙している。 現在は各種プログラム開発と共に、パーソナルトレーナー石原サンチェス陽一率いる『Team SANCHEZ』に所属しフィジカルデザイナーとしてトレーナー活動に従事。またその傍らマラソン、ボクシング、ボディメイク大会に出場。フルマラソン走破を皮切りに、おやじファイトボクシングフェザー級出場(1戦1勝1KO)、2017ベストボディジャパンゴールドクラス東京オープン5位入賞、2018東京大会ファイナリストとなる。自らの実践を通じてフィットネスの素晴らしさ、ニュートリションの必要性を発信している。 Facebook: https://www.facebook.com/kazuya.mori.543

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