格闘技は試合中に強大な力を何度も繰り出す必要があるスポーツの代表といえるものです (1)。ボクシング、レスリング、柔道、ブラジリアン柔術、総合格闘技など競技にかかわらず、試合の間は格闘技選手の生理学的身体系統のすべてが試されることとなります (2)。
また格闘技選手は、体重を特定のウエイトクラス内に維持しながら最大の力を出す必要があるため、筋肥大よりも相対的強度から得られる恩恵のほうが多くなります (3)。それを達成しトップレベルの成績を残すには、食事とトレーニングに加え、サプリメントの最適化も求められます。
前述の通り、格闘技選手が試合の間ずっと強度の高い運動を繰り返し行うにあたっては、耐久力と無酸素代謝能力が欠かせません。これはボクシングやキックボクシング、総合格闘技でいえば打撃を繰り出すことであったり、レスリングやブラジリアン柔術であればポジションを変更したり寝技で相手に挑むことだったりするでしょう。
特定のサプリメントによって、この能力を助けることができます。
この記事では、格闘技選手にとって最適なサプリメントをご紹介します。
1. クレアチン モノハイドレート
ある研究によれば、トレーニングに対する生理学的な適応により筋力、体力、除脂肪筋肉量が増大する場合があるそうです (4-7)。実際、そうした効果が特に格闘技選手の中で観察されています。
柔道選手の間では、腕と脚の最大力が顕著に増加していることが観察されています(8)。事実、こうした変化は比較対象群に比べて3倍も大きかったのです! この結果は柔道の動きをまねた方式の運動を分析した別の研究でも裏付けられています (9)。
格闘技において高強度のパワーとスピードを生み出すための無酸素的な力は、クレアチンリン酸を長期的に消費することでもたらされる代謝燃料によって強化されます。
しかしクレアチンローディングの期間中は、体重が増加する可能性があることを念頭に置いておくべきです。これは試合のために特定の体重を維持する必要がある選手にとっては重要な考慮事項となります。クレアチンを摂取すると体重が0.5kg~2kg増加する可能性があり (7)、試合体重の近辺にいる選手や試合前に減量が求められる選手は注意を払う必要があります。
興味深いことに、柔道でみられたようなパフォーマンスへの恩恵はレスリング選手(10) においても観察されています。また、クレアチンには試合前の急激な減量からの回復を助ける効果も認められています (11).
摂取量: 長期的なクレアチン摂取は、ローディング期間と維持期間に分けて行います。
ローディング期間: クレアチン20g (1日量: 体重1kgあたり約 0.3g) を均等に4回に分けて摂取することを5日間続ける
維持期間: クレアチン2~5g (1日量: 体重1kgあたり約 0. 03g) の摂取を数週間または数ヶ月間行う (12-13)