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脂質制限ダイエットとは?糖質制限とどっちがいいの?

脂質は、細胞膜の構成成分であるほか、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、Kの吸収を促すはたらきがあります。一方で、1gあたり9kcalと高カロリーであり、摂りすぎはカロリー過多になってしまいます。

 

現在は糖質制限ダイエットが注目されていますが、脂質制限と糖質制限ではどちらがいいのか気になる方もいらっしゃるでしょう。今回は、脂質制限ダイエットの概要と具体的なやり方、そして注意点を解説します。

 

この記事でわかること:

  1. 脂質制限ダイエットとは?
  2. 脂質制限ダイエットのメリット
  3. 脂質制限ダイエットのデメリット
  4. 脂質制限ダイエットで食べてはいけないもの&食べていいもの
  5. 脂質制限ダイエットと糖質制限ダイエット
  6. 脂質制限ダイエットの注意点
  7. まとめ

脂質制限ダイエットとは

 

脂質制限ダイエットとは、食事からとる脂質の量を制限するダイエットです。3大栄養素である糖質とタンパク質のエネルギー量は1gあたり4kcalである一方、脂質は1gあたり9kcalと2倍以上高いため、少量減らすだけでダイエットになります。

 

脂質の制限としては、1日の摂取エネルギーの20%程度に制限します。例として、1日の摂取エネルギーが2500kcalの場合、脂質の量は500kcal、すなわち56g程です。

 

脂質は、サラダ油やバターなどはもちろん、揚げ物などの食品や、豚バラ肉やラーメン、牛乳など食材にも含まれるので、併せて制限します。

 

脂質制限ダイエットのメリット

低脂質ダイエットのメリット

脂質制限ダイエットのメリットをご紹介します。

 

カロリーをコントロールしやすい

脂質制限ダイエットはカロリーをコントロールしやすい点がメリットです。

 

脂質は糖質やタンパク質と比較して高カロリーのため、脂質制限によってカロリーを調整しやすくなります。

 

ダイエットのためには、摂取カロリーが消費カロリーを下回る必要があるため、脂質制限ダイエットによって効率的に摂取カロリーを抑えることができます。

 

健康的にダイエットできる

適切な脂質制限ダイエットでは、健康的にダイエットできるでしょう。

 

脂肪エネルギー比率が高いと、肥満だけでなく、メタボリックシンドロームや糖尿病、さらに冠動脈疾患のリスクの増加が懸念されています。また、脂質制限ダイエットは糖質制限ダイエットと比較して体重減少が緩やかです。そのため、リバウンドしにくいダイエットといえます。

 

さらに、コレステロール値を上げる要因となる肉類や乳製品の飽和脂肪酸の摂取量を減らすことができるのもメリットのひとつです。

 

炭水化物(糖質)を減らさなくてよい

脂質制限ダイエットにおいては、炭水化物(糖質)を減らす必要がありません。

 

パンやご飯を制限しないため、空腹を感じにくいといえるでしょう。食事において満足感を得ることもできます。

 

ストイックな糖質制限ダイエットでは、砂糖をはじめみりんやケチャップなど調味料の制限も多くあります。ご飯など炭水化物が好きな方や、料理においてさまざまな味付けを楽しみたい方にとって、ストレスが少ないダイエットといえるでしょう。

 

脂質制限ダイエットのデメリット

ケトダイエットのデメリット

お伝えした通り、脂質制限ダイエットにはメリットがある一方で、デメリットがあります。

 

外食や調理に制限がかかる

脂質制限ダイエットは、外食や普段の調理に制限がかかります。

 

外食では、揚げ物をはじめ脂質が多い料理が多いため、低脂質のメニュー探しに苦労する場合があります。

 

ほかにも、調理において脂質が少ない食材を探すことはもちろん、揚げ物や炒め物など油を多く使う料理を避ける必要があり、自炊においても負担がかかるでしょう。

 

脂質不足による健康面への影響の恐れ

脂質を制限することで、身体にとって必要な脂質の摂取量まで減ってしまう恐れがあります。

 

例えば、身体が合成できない必須脂肪酸が不足してしまったり、悪玉コレステロール値を下げる不飽和脂肪酸が不足することが考えられます。

 

脂質は細胞膜などの構成要素になるので、不足すると美容や健康面に影響がでてしまうでしょう。

 

糖質制限よりも効果が出るのが遅い

そして、脂質制限ダイエットは緩やかに減量してリバウンドを防ぐことができる反面、糖質制限と比較してすぐに結果が出ないことはデメリットといえるでしょう。

 

効果が出ないことから、モチベーションの低下に繋がってしまう可能性があります。

 

そのため、脂質制限ダイエットに取り組む場合は短期的なダイエットではなく、長期的に取り組む必要があるといえます。

 

脂質制限ダイエットで食べてはいけないもの・食べていいものは?

脂質制限ダイエットにおいて、食べてはいけないものと食べて良いものをご紹介します。脂質が多い食材は控えながら、タンパク質などその他栄養素が不足しないようにしましょう。

 

食べてはいけないもの

主食では、油で炒めるチャーハンやバターをたっぷりと使う菓子パン、デニッシュを控えます。パスタ自体は脂質が少ないですが、調理で油を使うことが多いので気をつけましょう。同様にラーメンも中華麺自体は脂質が少ないですが、スープに油が多いので控えます。

 

肉類においては、豚バラ肉やロース肉、鶏肉の皮、牛肉の脂身などは控えましょう。ベーコンやウインナーなどの加工肉も脂質が多い食材です。魚においては、サバやイワシなどの青魚は脂質が多いですが、魚の油には身体にとって必要なDHAやEPAが多く含まれるため、極端に避ける必要はないでしょう。気になる場合は小さめの切り身にします。

 

調味料においては、脂質が多いマヨネーズを控えます。揚げ物・炒め物といった油を多く使う料理を避けましょう。中華料理は油通しをしたりごま油で風味付けをしたりと油を多く使う料理が多いので控えます。

 

食べても良いもの

脂質制限ダイエットにおいて食べて良いものは、脂質量が少ない食材や調味料です。

主食は、ご飯やおにぎりなどが良いでしょう。パンを選ぶ場合は、バターや乳製品を使っていないフランスパンやベーグルがおすすめです。麺類ならうどんや蕎麦といった調理で油をあまり使わないものを選びます。

炭水化物が多い食べ物

肉類なら牛ヒレ肉やモモ肉、豚もも肉、鶏むね肉が良いでしょう。魚なら赤身魚、白身魚、えび、いか、たこなどは脂質が少ないのでおすすめです。

脂質が低い食べ物

調理法は、焼く・蒸す・煮る・茹でるといった油をあまり使わない調理法を選びましょう。間食は和菓子や果物が適しています。

 

脂質制限ダイエットと糖質制限ダイエット、どっちがいいの?

脂質制限ダイエットについてご紹介しましたが、現在ブームになっている糖質制限とどちらが良いか気になる方も多いでしょう。

 

脂質制限と糖質制限のどちらがダイエットにおいて優れているとは言い切れず、いずれも普段の食生活が大切であるといえます。

 

糖質制限ダイエットの特徴

 

糖質制限ダイエットによって痩せられる理由は、主に2つあります。

 

1つ目に、摂取カロリーの50~60%を占める糖質を制限することによって、単純に摂取カロリーを減

らすことができます。

 

2つ目に、糖質を制限することで血糖値の急上昇に伴うインスリンの分泌を抑えることができます。インスリンには、余分な糖を脂肪として溜め込むはたらきや、脂肪の分解を抑えるはたらきがあるため、インスリンの分泌を減らすことはダイエットにおいて有効です。さらに、糖質によって血糖値が急上昇するとその分急降下します。血糖値が急に下がると脳が糖質を欲しがり食欲が湧いてしまうので、血糖値を上げにくい糖質制限は有効と考えられているのです。

 

糖質制限ダイエットのデメリットは?

自己流の糖質制限によってエネルギーが不足してしまい、冷や汗やめまいなどの体調不良を引き起こすケースもあります。ほかにも、極端な糖質制限は怒りや抑うつを引き起こすことも懸念点です。

 

そのため、糖質制限・脂質制限のどちらにもメリットとデメリットがあることを念頭に置いておきましょう。自己流による極端な脂質制限や糖質制限は体調に影響を及ぼしかねます。

 

脂質制限ダイエットの注意点

 

極端な脂質制限ダイエットによって、健康を損ねてしまう可能性もあります。脂質制限ダイエットの注意点をみていきましょう。

 

極端に脂肪を減らさない

脂質制限ダイエットによって、極端に脂肪を減らさないようにしましょう。

 

脂質はエネルギー源になるだけでなく、ホルモンや細胞膜、核酸の構成要素になります。ほかにも、脂溶性ビタミンの吸収を促す役割もあります。さらに、皮下脂肪には臓器の保護や身体を寒さから守るはたらきもあるのです。

 

そのため、脂質制限は1日の摂取エネルギーのうち20%程度に留めるようにしましょう。

 

ほかのダイエットと一緒にやらない

脂質制限ダイエットは、他のダイエットと一緒に行わないようにしましょう。

 

例えば、糖質制限と脂質制限を併用すると、必要なエネルギーが不足してしまい体調不良や疲れやすさを引き起こしてしまいます。

 

ダイエットにおいて摂取エネルギー量を抑えることは大切ですが、必要以上に減らしすぎることがないようにしましょう。

 

油の質を意識する

脂質制限ダイエットにおいて、油の質を意識しましょう。

 

必須脂肪酸であるn-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸は、体内で作ることができませんので、食事から補う必要があります。

 

イワシやサンマ、サバなどの青魚のほか、アマニ油やえごま油を活用しましょう。ほかにも、ビタミンEが豊富なアボカドや、オレイン酸が豊富なオリーブ油などがおすすめです。一方、飽和脂肪酸が多い肉類の脂や、スナック菓子や揚げ物の油は控えましょう。トランス脂肪酸が多いマーガリンや菓子類も避けることをおすすめします。

 

まとめ

脂質制限ダイエットについてご紹介しました。

1gあたりのカロリーが高い脂質を制限するため、カロリーのコントロールがしやすく、さらに筋肉量を落とすことなくダイエットが叶うでしょう。一方で、脂質の極端な制限は健康を損ねるので気をつけましょう。

 

脂質制限ダイエットを行う場合は、ご紹介した低脂質の食材を選びつつ、質の良い油を適量取り入れることをおすすめします。糖質制限ダイエットとの違いや特徴を踏まえながら、自分に合ったダイエットを選びましょう。

本記事は情報提供および知識向上を意図としたものであり、専門的な医療アドバイスを目的としたものではありません。ご自身の健康に何か懸念がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。

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管理栄養士 渡部早紗

管理栄養士 渡部早紗

コミュニティーユーザー

管理栄養士兼ライター。総合病院・企業を経てフリーランス管理栄養士として独立。主に Web サイトの記事執筆を行い、根拠に基づいた栄養情報の発信を行う。学生時代は陸上、社会人からはハーフマラソンに取り組み、産後も体力づくりに励む。


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