プロギングとは、ジョギングとゴミ拾いを組み合わせた新感覚のスポーツで、スウェーデン語の plocka upp(拾う)とジョギングを合わせてできた造語です。
アスリートのエリック・アルストロム氏が2016年にスウェーデンでスタート。ジョギングを楽しみながら環境問題に取り組める、一石二鳥のスポーツとして世界中に広まり、今では世界100ヵ国以上で親しまれています。日本では、プロギング日本公式協会「プロギングジャパン」が従来のプロギングを楽しさ優先のソーシャルイベントとしてアップデート。今回は、協会の代表を務める常田英一朗さんにお話を伺いました。
プロギングが社会貢献のハードルを下げてくれた
幼少期よりアウトドアが好きで、大学4年間はワンダーフォーゲル部に所属していました。在学中2年間休学し、趣味である登山に没頭する中、自然に恩返しができないか考えるようになり、その中でプロギングと出会ったんです。クライマーの友人から北欧の話を聞き、「プロギング」というフィットネスがあると知りました。エクササイズもできるし、これは楽しそう!と単純に思ったのがプロギングを始めるようになったきっかけです。実は、環境問題に取り組んでいたり、ゴミ拾いのイベントに参加していたわけではないんです。社会貢献となると、ハードルが高くてなかなか最初の一歩が出ないというか。更に啓蒙活動となると、参加したいと思うどころか、逆に壁を感じてしまっていました。フィットネス交流を楽しみながら社会貢献ができる
環境問題は気になっていても、行動に移すのは難しい気がします。「プロギングジャパン」設立に至った経緯を教えてください。
ネガティブな話題ばかりの環境問題を、ポジティブなイメージに変えて、環境問題に興味のない人も巻き込めたらという想いで設立しました。社会貢献って、関心はあっても最初の一歩が踏み出せないんですよね。自然が大好きな自分ですら出せなかった一歩を、どうしたらより多くの人が踏み出せるのか考えました。そこで、楽しさを優先させるソーシャルイベントとして従来のプロギングをアップデートして始まったのが、「プロギングジャパン」です。「ポジティブな力で足元から世界を変える」をスローガンに、フェスに行くような気分で楽しんでもらえるイベントなら、どんな人にでも参加していただけると思ったんです。「楽しいイベントに参加したら、いつのまにかそれが社会貢献になっていた!」というような気軽さを目指しました。在学中から活動を始められて2020年に法人化。とても順調なスタートだったんですね!
いや、そうでもなかったんです(笑)2019年に団体を設立して、翌年に法人化したのですが、そのタイミングでコロナウイルスの感染が拡大。すでに予定していた企業とのコラボレーションやイベントがすべてキャンセルとなってしまったんです。知名度ゼロ、コロナ渦での厳しいスタートだったので、声掛けをしても簡単に人は集まらず。。。当初は、スタッフだけで地道に活動を継続していました。ある日、スターバックスの店長さんが声を掛けてくれたことに始まり、そこからアルバイトの方や散歩中の方、また名古屋市の方も加わることで徐々に人が集まるようになっていきました。プロギングのポテンシャルは無限大
コロナウイルスによる規制も緩和されて、活動も行いやすくなりそうですね!今まで行ってきたイベントをご紹介いただけますか?
これまで200回ほどのプロギングイベントを行っており、複数の自治体とのイベントや、40社ほどの企業とのコラボレーションを行っています。プロギングは、コロナ渦で運動不足が気になる方、在宅勤務などで社会との交流や人とのつながりが減ってしまった方にもおすすめできるイベントですので、是非参加してみてください!名古屋市とのコラボレーションで実現した「プロギングツアー名古屋」では、地元のプロッガー(プロギングをする人)と共に名古屋の各エリアを巡ります。普段通らない道を通ることで、新たな穴場スポットの発見ができるほか、地元の人しか知らない名店も教えてもらえるかもしれません。
今日はプロギングツアー名古屋✨
雨が本降りになる前に、滑り込みで開催できました?
成果は60人で21kg!
縄文時代の発掘調査も行われていた笠寺公園から、観光も兼ねて思いっきり楽しめました✨
ご参加いただいた皆様ありがとうございました? pic.twitter.com/YBZjW8NvGf
— Plogging Japan (プロギングジャパン) (@PloggingJapan) June 18, 2022
キャンプ場とのタイアップ企画は、家族みんなで楽しめる一泊二日のイベント。1日目は、キャンプ場で思いっきり自然を満喫してもらい、2日目の早朝にプロギングを行います。レイトチェックアウト付きで、楽しく有意義な時間を過ごせるプランです。【柏市プロギング RECAMPコラボ】
を開催しました❣️
今回で2度目の開催となる、キャンプで自然を感じ、プロギングで環境問題を考える親子イベント!
走って拾ってグータッチ?✨?
子ども達の笑顔はもちろん、大人も新しい発見がある時間になりました。
参加者の皆さんありがとうございました? pic.twitter.com/5EZCu0wdGz
— Plogging Japan (プロギングジャパン) (@PloggingJapan) July 27, 2021
名古屋ウィメンズマラソンのPRも兼ねて、オリンピック金メダリスト吉田沙保里さんとマラソンコースのプロギングを行いました。コースがきれいになっただけでなく、マラソンに参加される方や応援に来られる方へのコース紹介にもなりました。今日はあの吉田沙保里さんと、名古屋を舞台にプロギングさせていただきました✨
3/7(月)9:50〜『スイッチ!』にて放送予定です。
東海地方の皆様ぜひご覧ください? pic.twitter.com/Hd4CcvDHGi
— Plogging Japan (プロギングジャパン) (@PloggingJapan) February 28, 2022
プロギング効果で心もカラダもリフレッシュ!
メリットは大きく分けて3つあります。
1. フィットネス効果
プロギングは、ジョギングにしゃがむ動作などが加わるため、通常のジョギングの1.2倍のカロリーを消費するといわれています。普通のダイエットはなかなか続きませんが、目的がゴミ拾いや仲間との交流ならば、とりあえず外に出るきっかけにもなりますよ。
2. ストレス解消
適度な運動はストレス解消になりますが、プロギングで行うゴミ拾いは効果が見やすい社会貢献。少しでも何か良いことをしたという爽快感も得ることができます。また、自分を褒めるきっかけにもなり、心身共にポジティブな影響を与えます。
3. コミュニケーションの促進
プロギングイベントでは、2名に1枚ゴミ袋を用意しています。拾ったごみをゴミ袋へ入れる際、必ず声掛けをするようにしているため、自然と会話が生まれます。初対面の方でも自然と仲良くなり、イベント後カフェに行ったりなど、交流も盛んです!
プロギングの効果はフィットネスや環境面だけではないんですね。メリットが詰まったプロギング、参加者がもっと増えると良いですね。
ありがとうございます。プロギングジャパンでは、参加者全員が「楽しかった!」と満足して帰っていただくことを目標としています。「また参加したい!」そう思っていただけるイベントを続々計画です。
プロギングに参加しよう!
一人でも、友達や家族を誘っても気軽に参加できるプロギング。その楽しさが大好評で、なんと参加者のリピート率は40%!プロギングジャパンでは、全国各地で様々なイベントを開催中!お住いの地域だけでなく、旅先でもご参加いただけます。みんなと汗を流しながら、楽しく地球にポジティブな変化をもたらしませんか?
プロギングジャパンHPより、事前申込制となります。必要なものは全て用意されているので手ぶらで参加OK!フェイスブックには交流グループもあるので、そちらでイベントを見つけることもできます。
プロフィール 常田英一朗さん
愛知県出身。2年間大学を休学し、趣味の登山に没頭する。愛する自然に恩返しができないかと模索中、プロギングと出会う。プロギングを、楽しさ優先の地球に優しいポジティブな活動として広めるため、一般社団法人「プロギングジャパン」を設立。「ポジティブな力で足元から世界を変える」をモットーに、国内の自治体や企業と多様なコラボレーションを実施し、人との出会いやスポーツを通じて、楽しみながら環境問題に取り組めるイベントをさらに計画中。 |