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TRAINING

プルアップ(順手懸垂)のコツと習得プラン

プルアップは古くからあるトレーニングで、自重トレーニングの中では最も難しい種目です。何年もジムで鍛えているトレーニーでもたくさんの回数をこなすのは簡単ではありません。

プルアップは上半身のコンパウンド種目(多関節種目)であり、背中(広背筋)、型、腕(二頭筋)に効果があります。引く筋力を強化するには最適で、プルアップ以外の広背筋を使ったトレーニングにも伸びるようになります。言うまでもありませんが、握力の改善も期待できます。

プルアップの動作は自分の身体をバーまで引き上げた後、下ろすという非常にシンプルなものですが、実際にやってみると簡単にはできないことが分かると思います。もし、懸垂自体ができない場合やセットをこなせない場合でも心配する必要はありません。この記事では、プルアップをマスターするまでをステップバイステップでご説明していきます。

プルアップ習得までのトレーニングプラン

デッドハング

落ちずに頑張る:プルアップをマスターするためには握力を最初に強化する必要があります。プルアップが難しい理由の一つは、自重を支えながらずっとバーにぶら下がっていなければならないことです。

  1. 自分が疲れるまで5秒から10秒程度、バーにぶら下がる練習をしましょう。慣れれば、セット数やぶら下がる時間を増やすことができるようになります。
  2. 次に限界までぶら下がり続けましょう。疲れたと感じるだけではなく、バーを掴んでいられなくなる限界まで続けてください。60秒から90秒の休息をとってから同じ動作を繰り返してください。2、3週間後からは、少しずつ休息時間を短くしていきましょう。
  3. バーの握り方はいくつかタイプがありますので異なるものを挑戦してみてください。ワイドグリップも良いですが、ナローグリップも試してみるなどして、バーの握り方について知見を深めていきましょう。

プレートピンチングも握力強化には効果があります。プルアップバーが空いていないときなどに取り組むと良いでしょう。小さめのウェイトを手のひらを使って2枚保持してください(親指で片側を押さえ、残りの指で反対側を押さえる形で持ちます)。簡単にこなせるようになったら、重量を増やしていきましょう。

アシステッドプルアップ

マシンアシステッド

自重でのプルアップが難しい場合、このトレーニングを試してみましょう。大抵のジムにはこのマシンがあり、ウェイトを変えることで負荷の調整をすることができます。

https://youtu.be/HqCIvm5l9IA

レジスタンスバンド

レジスタンスバンドを使ってもいいでしょう。バンドの補助のおかげで簡単にプルアップができるようになります。

バーにバンドを取り付けてから下側に足を入れます。バンドのテンションを使うことでプルアップが楽にできるようになります。引く動作の最中、マシンを使った場合に近いレベルでサポートを得ることができます。

https://youtu.be/aHMStc-JOUg

スタティックエレベーテッドホールド

次に少しきつめの種目に挑戦しましょう。うまくできなくても心配しないでください。継続することで克服することができます。

スタティックホールドというのはプルアップで身体を挙げ切った状態を維持し続けることです。台かベンチの上から、バーを掴み、プルアップで挙げ切った姿勢を取ります。腕は肩幅と同じ幅に広げてください。アシステッドマシンを使っている時と同じポジションを取りましょう。できるだけ長い時間同じ姿勢を続けるようにして、毎回数秒でも長くできるようトライしてください。

最初は5秒から始めましょう。10秒を超えられるよう頑張りましょう! 

ネガティブプルアップ

ネガティブプルアップは握力の向上と全体的な筋力を強化することができます。それにより、通常のプルアップのパフォーマンス強化にもつながります。プルアップの動作の内、身体を下げていく動作(伸張性収縮)によって筋肉に刺激を与えるトレーニングです。

https://youtu.be/zjLQXH30yUc

  1. 箱かベンチの上に乗ってから、肩幅の広さでバーを握ります。
  2. グリップをしっかり握り、できるだけゆっくり下げていきます。腹腔を固め、広背筋に伸張させることを意識してください。
  3. 一番下まで下げた後は、箱かベンチを使って一番上のポジションに戻り、同じ動作を繰り返します。

チンアップ

プルアップに似たトレーニングですが、チンアップ(逆手懸垂)は二頭筋をより多く使う種目です。

  1. チンアップでは手のひらを自分に向ける逆手という握り方をします。肩幅の広さでバーを握りスタートポジションにつきます。
  2. 身体を一番上まで引き上げ、数秒間ポーズを取った後、身体を下ろします。

これが一連の動作になりますが、いくつか覚えて頂きたいコツがあります。

  • 引く動作では、肩甲骨を引くことをしっかり意識してください。
  • 自分の身体を挙げるのではなく、バーを引き下げるイメージを持ってください。
  • 腹筋に力を入れ、大殿筋(尻)を締めることで身体が安定します。
  • あごをバーより上まで持ってくるようトライしてください。首を伸ばして無理やりではなく、自然な形でやりましょう。
  • 8-10レップで3-4セットできるようになったら、いよいよプルアップに挑戦しましょう。

プルアップ

さあいよいよプルアップです。頑張りましょう!

  1. (手の甲を自分に向ける)順手でバーをしっかり握ります。
  2. 肩幅より少し広めの幅でバーを握り、腕を伸ばしてぶら下がります。足が地面に着いてしまう場合は、自分の後ろ側に曲げます。
  3. 身体がスイングしないよう腹腔をしっかり固めてから、肩甲骨を寄せます。
  4. 準備ができましたね。地面に向けて肘を突き出し、胸をバーに向けて引き上げます。この段階で多くの人が身体をスイングさせたり反動を使ったりしますが、腹腔を固め身体を安定させてください。
  5. あごがバーより上、胸はバーの高さまで上げてから、スタートポジションまでゆっくり身体を下げます。

まとめ

プルアップは大変効果のある自重トレーニングですが、難易度は非常に高いのでマスターするためには時間がかかるかもしれません。今回ご説明したトレーニングをしっかりやり切ればより早くプルアップをマスターできる筈です。

時間をかけて取り組みましょう。補助付きのトレーニングに取り組むことに抵抗を覚えたとしても、しっかり力をつけることができれば、スムースに自重トレーニングを始められるようになります。プルアップはジムで行うトレーニングでも最もハードな種目の一つだということを忘れないでください。すぐにできなかったとしても、辛抱強く少しずつ自分を鍛えていきましょう。

Daniel Speakman
Daniel Speakman レベル3の資格を持つパーソナルトレーナー

ダニエル・スピークマンはマイプロテインの編集者であり、レベル3の資格を持つパーソナルトレーナーです。オーストラリアで暮らしていた時期があり、イギリスでも南半球でも、初心者から一流スポーツ選手にまでトレーニングプランを作成して教えた経験があります。

また、イギリス各地で滞在型の減量プログラムを主催し、結果を出しています。フィットネスジムでのトレーニングについて一から十まで教えるトレーニング・セミナーも定期的に実施し、1週間の短期フィットネス講座やインドアサイクリングの教室も開いています。

仕事やジムのスケジュールもないときには、太陽を求めて旅行に出かけたり、外食したり、ワクワクするような新しい食べ物に挑戦したりしています。

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