HMBとは何ですか?どんな人に必要なサプリなのでしょうか?
HMBとは何か?
HMB (β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸) はアミノ酸であるロイシンの代謝産物です。食餌性のロイシンのおよそ5%が酸化されてHMBになります。HMBは筋肉の分解を抑制すると考えられています。
ロイシンそのものを調べるために研究が行われてきましたが、時間の経過のなかで、カロリー制限食に大量に加えた場合に付加的な抗異化作用の改善が見られました。
その時以来、この改善は代謝によって得られたHMBが、筋肉のタンパク質合成にプラスの作用を及ぼすことが知られているロイシンそのものとは逆に、筋肉の分解を防ぐのに十分な量に達したためであることが示唆されています。HMBそのものの栄養補助食品としての利用を調べるさらなる研究が行われ、肯定的な結果が得られています。
HMBのメリットとは?
研究では、HMBの補充がやせ衰えた筋肉、体力、体組成を改善することが示されました。しかし、このような研究のいくつかは混乱をもたらすもので、矛盾も見られました。したがって、理論から真実を読み解くのは困難なことでした。
HMBが作用する主たるプロセスは筋肉の分解を抑制することです。これは筋肉が損傷を受けたときに多く出現する血液マーカーの値の低下によって確認されました。それ以来、HMBは人気の高い研究トピックになり、トレーニングをしていない参加者やレジスタンストレーニングを行っている参加者を主たる対象に研究が行われ、体力、筋肉の大きさ、体組成において改善の兆候が見られました。これらの各結果をもたらす正確なメカニズムは大部分が不明ですが、それぞれの結果は動物モデルと提唱される生化学的機序において、また、人間での研究でも間接的な方法で、結びつきが得られています。
これらの研究は多くの異なる対処法を提示することになりますが、HMBが筋損傷の影響を低減し、筋肉の分解を抑制するという事実が示すのは、より早く、より高いレベルへと回復でき、より激しく、より早くトレーニングできるようになるということです。これは筋肉を大きくし、体力を高める効果があり、翻って、動作時の代謝量を増やし、潜在的な脂肪燃焼を高めることになります。
アスリートに高いトレーニング効果が見られた研究とHMBの効果が見られなかった研究を批判的に検討すると、効果の見られないグループでは、トレーニングと栄養計画と要件がサプリメントの主要な効果を利用するのに十分な程度にまで刺激されていない可能性があります。このことはラグビーのエリート選手に関する研究においても制限として示唆されました。また、別の制限として、人間でのメカニズムの直接的な知識や、効果が見られるために理想的な対象者の特性に関する知識が欠けていることが指摘されています。
いくつかの異なる投与量が調査されてきましたが、1日当たり3gという量が最大の効果をもたらすようです (それ以上多く摂取しても効果は高まらないようです)。また、他のサプリメントと一緒に摂取すると効果が高まる可能性があります。クレアチン一水和物はよくHMBと一緒に利用されるサプリメントです。この2つは組み合わせると、相加的効果が見られる可能性があります。
HMBに適しているのは誰か?
HMBには既知の副作用はまったくなく、WADA禁止物質リストに掲載されていないので、このサプリメントを避けなければならない人は存在しません。研究からは、HMBのメリットを最大に享受するのは、新参の重量挙げ選手のトレーニング開始後1、2か月の時期であるようです。
しかし、人体に影響を及ぼすメカニズムといくつかの主要な方法を検討すると、このサプリメントはトレーニング負荷を増大させているあらゆる人にお勧めします。身体の回復を容易にし、筋肉の消耗を防ぎます。特に、食餌中に含まれるロイシンを必死に体内に取り込もうとしている、低カロリー食ダイエット中の方やベジタリアンの方はそうでしょう。
まとめ
研究は有望な適応を生み出すであろうプロセスに今も取り組んでいるさなかですが、トレーニング時のHMBサプリメントの利用という新たな形態がプラスの効果を有していることは明らかだと思えます。過負荷のレベルが高い期間やカロリー制限時に改善の助けとなることでしょう。