イヌリン | 健康へのメリット、デメリットは? 摂取量は?
フィットネス界のメインストリームに次々と新たな話題サプリメントが登場する中、どのサプリメントが有効なのか、あるいはお金の無駄なのかを判断するのは個人レベルでは困難です。 様々なサプリメントが様々な理由で脚光を浴びていますが、特定商品を提示された時、世間の意見に耳を傾けるだけでなく、その商品を評価して納得できる結論を下すことが重要です。
最近、BBCのドキュメンタリーで取り上げられ、注目を浴びているサプリメントのひとつにイヌリンがあります。 英紙デイリー・テレグラフでもアンジェラ・リッポンが取り上げました。
本記事では、イヌリンに注目し、このサプリメントの働き・摂取量・デメリットを論じた科学文献から得た発見とアドバイスを紹介します。 そして、イヌリンとは何か、どのような働きがあるのかを解き明かします。
イヌリンとは何か?
イヌリンは、簡単に説明するとデンプンに分類できる繊維性炭水化物の一種です(1)。 この物質は野菜や果物、ハーブなど多種多様な食品から発見できます。 イヌリンはフルクタンという果糖の重合体の一種で、オリゴ糖を自然発生します。 つまり、数種類の単糖が結合しているということです(2)。
イヌリンは消化器で吸収されないので、食物繊維とみなされます(3)。 イヌリンには甘味があるので、人によっては様々な形で甘味料として使うことができます。
イヌリンは植物繊維であり、消化器で吸収されないので大腸へ送られます。 そこでイヌリンは腸内細菌の活性化を促すのでプレバイオティクスとみなされます。
イヌリンの働き・メリットとは?
1. 満腹感
イヌリンは食物繊維なので満腹感が長く続き、消化を遅らせます(5)。 この食物繊維成分は便秘を防ぐと共に便通を促します。
2. 減量
まだ多くの研究は実施されていないものの、イヌリンは減量に役立つと多くの人が結論付けています。 イヌリンによって分泌が促される共生細菌は、栄養の吸収を良くし、毒素を除去して身体へ損傷を防ぎます。 その結果、身体の機能が活性化し、減量と体重管理につながります(5)。
また、食物繊維の性質から、イヌリンは血糖値を調整し、満腹感を長く持続するので、食事量の減少につながります。 さらに注目すべきは、甘味料として使える点です。 砂糖をイヌリンで代用することでカロリーダウンができ、体重減少につながります。
3.消化器の健康
イヌリンは消化器で吸収できないプレバイオティクスなので、腸内の善玉菌の増殖を促進し、多くの健康効果につながります。
体内細菌はイヌリンを栄養源として増殖し、あなたとあなたの腸内を健康に保ちます。 そのことから、イヌリンは悪玉菌を排除し、免疫系を刺激するのにも役立ちます(5)。
イヌリンの摂取量の目安
イヌリンは万人向きではなく、人によってはアレルギー反応を起こします。 平均的な消化機能を有する人のイヌリンの推奨摂取量は1日当たり5〜10gです(6)。 まず少量を試して様子を見てから、摂取量を増やすと良いです。
一日に最大40g、またはそれ以上摂取可能だという意見もありますが、効果を得るために摂取量を増やしていく中で一日の最大摂取量を10〜14gの間に抑えるのが適当でしょう。 とにかく、安全第一で摂取量の急激な増加は避けるべきです(1)。
また、どのサプリメント会社からイヌリンを購入するかにも注意を払いましょう。 必ずパッケージ表示に目を通し、それぞれの商品の推奨摂取量を確認しましょう。
イヌリンのデメリットや安全性
胃腸障害が起こりうる – 便通障害、腹部の膨張、軟便、膨満感、腹痛、下痢など(5)。 人によっては便秘になる可能性もあります 。
上記の悪影響を避けるため、水分摂取量に気をつけましょう。 イヌリン摂取中は、必要に応じて水分摂取量を増やしましょう。
まとめ
イヌリンは多くの健康効果につながりうる興味深いサプリメントです。 デメリットも少ないようです。
デメリットは少ないかもしれませんが、イヌリンは万人向けのサプリメントではなく、効果を得るにはニーズに合わせた摂取量の調整が必要です。
全般的に見れば、自然食品から十分な量のイヌリンを摂取 できます。 しかし、お望みであれば、サプリメント摂取も長期的な効果に確実に役立つでしょう。
ジェニファー・ブロウ(Jennifer Blow)はマイプロテインの編集者で、UKVRN*登録の栄養士としてキャリアを始めたばかり。栄養科学の学士号と栄養学の修士号を保有。現在は、スポーツサプリメントの健康・フィットネスへの使用について、科学的根拠に基づいた調査・研究を行なっています。*UKVRN:英国における栄養士の登記簿。登録には高い専門性と能力が必要。
また、エクササイズや健康的なライフスタイルのための栄養科学を専門としていることから、ヴォーグ、エル、グラツィアなどの有名オンライン雑誌に栄養士として登場しています。
これまで、NHS(イギリスの国民保健サービス)と協同で食生活への介入研究を行ったり、オメガ3脂肪酸サプリメントについてや、ファストフードが健康に及ぼす影響についての学術研究など、幅広い経験を積んできました。特に後者に関しては、毎年開催されるNutrition Society Conferenceで発表も行いました。さらに、プロ養成のために開催されるイベントにも多く出席し、常に高い専門性を維持しようと努めています。
ジェニファーについて詳細は、こちらをご覧ください。
プライベートでは、ヒルウォーキングとサイクリングの愛好家。SNSを通じて、我慢しなくても健康的な食生活が送れることを広めています。