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スポーツ食事

太れない・筋肉が付きづらいハードゲイナーを克服する方法

太れない・筋肉が付きづらいハードゲイナーを克服する方法

「ボディメイク」は、体重を落としたりボディラインを引き締めるだけではありません。

もっと体を大きくしたい、もっと太りたいと思っている方も大勢いるのです。

体を大きくするためには、体を絞るのと同様に「体を大きくするための食事」や「体を大きくするためのトレーニング」に取り組む必要があります。

 太れない・筋肉が付きづらい方、必見!

今回は、体を大きくするためのトレーニング・食事方を紹介します。

 

 

ハードゲイナーとは

太りにくい体質の方を【ハードゲイナー】と呼びます。

減量を頑張っている人からしてみれば、「食べても太らないなんて最高の体質!」と思う方もいるかもしれませんが、ハードゲイナーには

 

  •  筋トレをしても筋肉がつきにくい
  •  筋肉がつきづらいため、筋力が向上しにくい
  •  頑張って食べても太れない
  •  体が細いため、ひ弱な印象になってしまう
  •  筋肉量が少なく、疲れやすい

 

など、太りやすい人と同じように、いろいろな悩みがあるのです。

 

 

ハードゲイナーが太りにくい理由

ハードゲイナーが太りにくいのにはいくつか理由があります。

 

消化吸収能力が低い

太りにくいのは体質が関係しています。ハードゲイナーは消化能力が弱く、栄養を吸収しにくい傾向にあるといわれています。

どんなに食事量を多くしても、摂取した食事から栄養を吸収できなければ、体は作られません。

 

 

運動量が多い

無意識的に日常生活での運動量・行動量が多いことも挙げられます。そのうえ、筋肉をつけるために筋トレや有酸素運動をすることで、摂取カロリーが不足してしまうということも。

 

食が細い

満腹まで食べていても、他の人に比べて食事量自体が少ないということも考えられます。 

また、ハードゲイナーには食に対する執着が少ないことも多く、時間がないから、忙しいからといって食事を抜いてしまうという方も多いのではないでしょうか。

 

 

ハードゲイナーが太るためのコツ

ハードゲイナーが太るためには、減量同様にしっかり食事やトレーニングを意識して取り組む必要があります。

 

食事を工夫する

高タンパク食材

体を大きくするために、まずは食事を見直してみましょう。

 

  •  摂取カロリーを増やす

まずは、1日の摂取カロリーを見直すところから始めます。摂取カロリーの目安は、体重や年齢、普段の身体活動によって異なります。

 

厚生労働省が提唱する日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると

 

18~29歳 体重1kgあたり35.5~47.4kcal

30~49歳 体重1kgあたり33.7~44.9kcal

50~64歳 体重1kgあたり32.7~43.6kcal

 

となっています。ハードゲイナーは、これ以上の摂取カロリーを必要ということを頭に入れ、体に変化がないようであれば徐々に摂取カロリーを増やすなどの調整を行うようにしましょう。

 

  •  たんぱく質を中心に摂取する

ただ太るだけでなく最終的にかっこいい体を目指すのであれば、摂取カロリーを増やすだけでなく、摂取を増やす栄養素にもこだわりましょう。甘いものなど糖質中心の高カロリー食は、少ない量でも太りやすくなりますが、その増えた体重の多くは脂肪です。かっこいい体になるには、増量時から脂肪ではなく筋肉を増やすように意識しましょう。

筋肉を増やすには、たんぱく質の摂取が必須です。ハードゲイナーが体を大きくするために摂取したいたんぱく質の目安は1日に徐脂肪体重×2g。太りにくい人は、トレーニングを行った日だけでなく、日頃からたんぱく質量を意識して食事を選んでみてください。

 

  •  食事回数を増やす

食事をたくさん食べるのは、食事を制限するのと同じように大変なものです。

1回にたくさん食べられない方は、食事の回数を増やしてみましょう。

食事回数を増やしても、すべてをしっかりとした食事にする必要はありません。3食に加え、おにぎりやプロテインなどの間食をして栄養摂取するタイミングが増えればOKです。

間食を活用して、1日5~6回の栄養摂取のタイミングを作るようにしましょう。

 

筋トレの時間や頻度

食事だけでもある程度は体を大きくすることはできます。しかし、かっこいい理想的な体を目指すなら筋トレは欠かせません。

 

  • 大きい筋肉を肥大させる

効率よく筋肉量を増やして体を大きくするには、大きい筋肉をターゲットにしてトレーニングを行うことがポイント。

大きい筋肉とは

 

・胸の筋肉「大胸筋」

・背中の筋肉「広背筋」

・肩の筋肉「三角筋」

・お尻の筋肉「大臀筋」

・太ももの筋肉「大腿四頭筋+ハムストリングス」

 

が挙げられます。

 

トレーニング初心者の方の中には、見た目を考えて「お腹」や「腕」のトレーニングに励む方も多いと思いますが、お腹や腕の筋肉は小さいうえ、大きい筋肉を鍛えるときにもしっかり刺激されているので、はじめのうちはトレーニングメニューから除外しても良いでしょう。まずは大きい筋肉を鍛え、ある程度体ができてきて細部にこだわりたくなってきたときに取り組むようにしましょう。

 

  • 筋肥大しやすい負荷設定

筋肉を大きくするためにも、筋肥大するために適切な負荷設定でトレーニングを行うようにしましょう。

 

筋肥大させるためには

 

・毎セット限界を迎えるまで行う

・8~12回で限界を迎える重さで行う

・反動を使わずに筋肉を意識しながら行う

・3セットをベースに、より強度を高めるならセット数を増やして

・同じ部位のエクササイズを3種目程度組み合わせてメニューを作る

 

筋肥大に重要なのは、限界まで筋肉を追い込むこと。そのため、負荷が重すぎたり軽すぎたりすると、筋肉を最後まで追い込めなかったり、追い込むまでに時間がかかりすぎてしまうなど、効率よく筋肥大できません。

 

  • トレーニング頻度は多めに

体を大きくしたいなら、筋トレはできるだけ多く取り組みましょう。

 効率よく成果を引き出すためには、毎回全身を鍛えるのではなく、鍛える部位を分けることがポイント。「胸」・「肩」・「背中」・「下半身」など、ターゲットとなる部位決めて、できるだけ毎日筋トレに取り組むとよいでしょう。分割することで疲労をためずに筋トレの頻度を増やせるうえ、一つの部位に対して多くの負荷をかけることができるため、体を最短で変化させることができるのです。

→詳しくは過去記事「プロが解説!筋トレは毎日やってはいけない?効果的な筋トレ頻度や時間帯は?」をご覧ください。(リンク)

 

  • ハードな有酸素運動は行わない

筋トレの後に有酸素運動を行うという人もいるかもしれませんが、筋トレの効果を最大限得たいなら、筋トレ後の有酸素運動は行わないほうがいいでしょう。

 

プロテインを活用する

食が細いハードゲイナーに活用してもらいたいのがサプリメント。なかでも王道のプロテインは体を大きくするのに欠かせないサプリメントです。

 

  • ハードゲイナー用のプロテインを活用してみよう

様々なプロテイン商品の中には、ハードゲイナー向けに作られているものもあります。ハードゲイナー用のプロテインの特徴は、たんぱく質だけでなく糖質が多く含まれていること。1食で手軽に摂取カロリーを大きく増やすことができ、体を大きくするのに最適です。

 

  • 消化を助けるサプリメントの活用も

先ほど説明した通り、ハードゲイナーには消化能力が弱い方もいます。そんな方には消化・吸収を助けてくれるサプリメントがおすすめです。特にたんぱく質の多い食事をしている増量期は摂取したいところ。摂取した栄養素を最大限に生かし、体を大きくするための大きなサポートになってくれるはずです。

 

 

ハードゲイナーがやるべき筋トレBIG3

大きな筋肉を鍛えるために最適なエクササイズがあります。それが「BIG3」です。

BIG3は、フリーウエイトの代表的なエクササイズ「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」のことを指します。BIG3は、高重量を扱うことができ大筋群を効率よく刺激するだけでなく、複数の筋肉を同時に刺激することができるので、体を大きくするのに最適なエクササイズです。

正しいフォームや動作に気をつける必要がありますので、まずは軽い重量で正しいフォーム・動作を身につけることから始め、慣れてきたら重量を増やしていきましょう。

 

1. ベンチプレス

「ベンチプレス」は大胸筋(胸)をメインに、三角筋(肩)や上腕三頭筋(腕)などを同時に鍛えることができます。

 胸の筋肉を鍛えるためには欠かせないエクササイズです。大胸筋を肥大させることで、厚みのある上半身を作ります。また、胸の位置を高くするので、男性も女性も胸を上に引き上げ形の良いバストを作ります。

 

2. スクワット

スクワットは、大臀筋(お尻)や大腿四頭筋(太ももの前)をメインに、ハムストリングス(太ももの裏)や脊柱起立筋(背中)の筋肉を鍛えます。

スクワットは、下半身全体の筋肉に大きな刺激を入れるだけでなく、動作中の姿勢を保つために体幹に対しても大きな刺激が入ります。脚を太くするだけでなく、体幹部の強化により、姿勢が良くなったり、ほかのエクササイズでも扱える重量が増えるなどのメリットもあります。

 

3. デッドリフト

腰背部~下半身を鍛えるのが「デッドリフト」です。脊柱起立筋をメインに僧帽筋(背中)や広背筋(背中)大臀筋やハムストリングスなど全身を刺激できます。

デッドリフトで鍛えられる筋肉は、重力に対抗して姿勢を保つ“抗重力筋”が多いのが特徴です。デッドリフトを行うことで、良い姿勢を保つことができます。

また、デッドリフトで腰部や下半身が鍛えられることで、腰痛の改善にも効果があります。腰の痛みの多くは筋緊張が原因。筋緊張は筋力の低下によって起こりやすくなってきます。デッドリフトを行うことで筋力が向上すると腰の痛みが出にくくなります。

 

 

その他ハードゲイナーにおすすめの筋トレ

BIG3意外にもおすすめしたい筋トレはこちら。

 

  • ショルダープレス

ショルダープレスは、逆三角形を作るための肩の筋肉「三角筋」や腕の後ろ側「上腕三頭筋」を刺激します。

 

  • チンニング

チンニングは、広い背中を作る「広背筋」や腕の表側の筋肉「上腕二頭筋」を刺激します。

 

  • ランジ

ランジは、大きなお尻を作る「大臀筋」や太い脚を作る「大腿四頭筋」「ハムストリングス」を刺激します。

 

 

ハードゲイナーでも太れる、筋肉はつく!

体が大きくならないという方は、筋トレと食事の両方を見直す必要があります。

食事はできるだけ摂取カロリーを増やすことを意識し、トレーニングは大筋群を鍛えるエクササイズを中心にメニューを組むようにしましょう。

 

本記事は情報提供および知識向上を意図としたものであり、専門的な医療アドバイスを目的としたものではありません。ご自身の健康に何か懸念がある場合は、健康食品を摂取する前もしくは食習慣を変更する前に、専門医やかかりつけの医療機関にご相談ください。

日本人の食事摂取基準(2020 年版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書. (n.d.). 厚生労働省. Retrieved November 8, 2022, from https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

プロスポーツトレーナー歴 20年 プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。

現在、様々なメディアで執筆や商品監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。

2021年 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊。

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