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筋トレ

プロが解説!筋トレは毎日やってはいけない?効果的な筋トレ頻度や時間帯は?

プロが解説!筋トレは毎日やってはいけない?効果的な筋トレ頻度や時間帯は?

体づくりや健康維持のために、筋トレを日々頑張っている方も多いはず。しかし、なかなか成果が出ずに途中であきらめてしまう、挫折してしまう方が多いのも現状です。

始めたばかりは、どのように筋トレを行えばよいのかわからないなどの悩みがあるかもしれません。筋トレの頻度、セット数やレップ数など、具体的にどのくらいやるのか自分自身がしっかり理解しておかないと、成果がどのように現れてくるかもわからず、モチベーションも低下しやすくなってしまいます。

この記事では、筋トレは毎日やっていいのか、また効果的な筋トレ頻度や時間帯を解説します。

 

この記事でわかること :

  1. 筋肉はどのように成長するのか
  2. 筋トレは毎日やってはいけない?効果的な筋トレ頻度は?
  3. 筋トレに効果的な時間帯はいつ?
  4. 効果的な筋トレの負荷設定は?
  5. 筋トレ後は栄養補給を忘れずに!
  6. まとめ

 

筋肉はどのように成長するのか

まずは、なぜ筋トレによって筋肉が成長するのか、そのメカニズムを理解しましょう。

 

①筋トレで筋肉が損傷する

筋肉を太く・強くするには、筋肉に対して日常生活以上の刺激が必要です。そのために筋トレを行うのです。

筋トレをすることによって、筋肉を構成する線維の一部が部分的に損傷します。この筋線維の損傷がなければ、筋肉は成長しません。

 

②損傷部が回復・再生する

損傷すると聞くと、ケガをするの?と心配する人もいるかもしれませんが、微弱な損傷なので痛みはありません。また、損傷した筋線維は、自然と再生します。

実は、この再生が筋肉を成長させるポイント!

筋肉は、強いストレスや刺激に負けないように強く・太くなって再生されるのです。

 

③損傷→回復を繰り返し、太く・強くなっていく

これらの損傷→再生を繰り返すことで、筋肉が成長していきます。

先に説明した通り、筋トレの負荷が少なければ、筋線維の損傷が少なくなるため、効果が停滞してしまいます。筋肉が成長するにつれて負荷を高めていく必要があるのはこれが理由なのです。常に損傷→再生のサイクルを作り出すことが成果を出すために必要である、ということを頭に入れておきましょう。

 

筋トレは毎日やってはいけない?効果的な筋トレ頻度は?

筋トレの回数

筋肉成長のメカニズムを理解したうえで、筋トレのプログラムを作る必要があります。効率よく効果を出すための筋トレ頻度」について考えてみましょう。

 

効果的な筋トレ頻度とは

 

「筋トレは週2回が最適」。いつからかこんな情報を耳にすることが多くなりました。スポーツジムに通ったことがある方は、インストラクターからそう指導を受けたことがあるかもしれませんね。

 

しかし、これは事実ではありません。もちろん、効果がないというわけではありませんが、積極的に体を変化させようと思っている人にとっては、これは適切な筋トレ頻度ではないのです。

 

この週2回が最適という理由は、「超回復理論」からきています。

超回復とは、筋トレによって損傷した筋肉がトレーニング後48~72時間(2日~3日)程度の休息で効率的に成長するとされる理論です。休息が48時間よりも短く次の筋トレをしてしまうと、筋肉が十分に回復する前に筋肉が損傷し、オーバーワークによって効果が出なくなってしまいます。逆に休息が長すぎてしまうと、トレーニング以前の状態に戻ってしまいます。休息が長すぎれば筋肉は徐々に衰えていくのです。超回復したタイミングで次の筋トレを行うことによって、徐々に筋肉が成長していくというのが超回復理論の考え方です。

 

筋トレは分割法を取り入れよう

 

この理論を当てはめれば週2回が適切では?と思う方もいるかもしれません。

確かに毎回の筋トレで全身をハードに鍛えた場合は当てはまるでしょう。しかし、1回のトレーニングで全身を鍛える必要はないのです。

 

効率よく成果を引き出すためには、鍛える部位を分けることがポイント。「胸」・「肩」・「背中」・「下半身」・「腕」など、ターゲットとなる部位を決めて取り組みましょう。そうすることにより、筋トレの頻度が多くなり、体を最短で変化させることができるのです。これを「分割法」といいます。

ちなみに魅せる体をつくるボディビルダーやフィジーカー達は、この分割法を活用してほぼ毎日筋トレに取り組んでいます。

 

一週間のメニュー例

 

では、分割した部位をどのように組み合わせていけばいいのでしょうか。ここではある一例を挙げて紹介していきます。

 

1日目 胸・上腕三頭筋

2日目 背中・上腕二頭筋

3日目 肩・上腕三頭筋

4日目 下半身・上腕二頭筋

5日目 オフ

6日目 胸・上腕三頭筋

7日目 背中・上腕二頭筋

 

このサイクルを繰り返して行います。

 

分割法の場合、例えば「胸」であれば、1日目と6日目というように間に4日の休息があります。超回復理論から考えても適切なタイミングで次のトレーニングに入れているということです。

 

分割法のメリットはそれだけではありません。1度のトレーニングで全身をくまなく鍛えるとなると、かなりハードになりますし、時間もかかります。初心者にとって、長時間の筋トレはかなりハードルが高いものです。継続していくのも難しくなるでしょう。

 

分割法なら鍛える部分が限られているため、1回のトレーニング時間が短くなり、集中力を保ちながらしっかり筋トレに取り組むことができます。

 

筋トレに効果的な時間帯はいつ?

次に気になるのが、どの時間帯で筋トレを行えばいいのかということです。結論からいうと、筋トレはどの時間帯に行っても効果は変わらないため「いつでもいい」という答えになりますが、ここでは時間帯別にそれぞれのメリットを紹介していきます。

 

朝に筋トレをするメリット

 

朝から忙しいという方もいるかもしれませんが、実は朝は自分の時間をコントロールしやすい時間帯です。

夜は残業や食事の誘いなど急なスケジュールが入りやすく、筋トレの予定を立てていても行けなくなってしまった…ということが少なくありません。思ったように筋トレができないことで、挫折してしまうリスクが高まります。

 

朝であれば、急なスケジュールが入ることもありませんので、しっかり筋トレの時間を確保することができるでしょう。一日を通して忙しいビジネスマンには朝の筋トレがおすすめです。

 

また、筋トレを行うことで、筋トレ後のエネルギー消費量を高めてくれるのも朝に筋トレを行うメリットです。朝から筋トレを行うことで脂肪が燃えやすい状態で一日を活動できるのです。

 

昼に筋トレをするメリット

 

最近では、早朝から夜遅くまでオープンしていたり、24時間空いているスポーツジムが増えています。使える時間が多いというのは嬉しいことですが、時間帯によって混んでいて使い勝手が悪いと感じる人もいるでしょう。

スポーツジムは、仕事帰りの方が利用する午後18時以降に混みやすいため、使いたいマシンやダンベルが空くのを待たなければいけないことが多々あります。その点、お昼なら利用者も少なく、スムーズにトレーニングを進めることができます。

 

とはいえ、昼の時間に学校や仕事を抜けて筋トレをするというのはなかなか難しいところ。昼に時間がある方は検討してみましょう。

 

夜に筋トレをするメリット

 

一日活動をしてきている夜は、最も体が動かしやすい時間帯です。勉強や仕事も終わり、あとは休息するだけという時間帯のため、しっかり追い込むことが可能で強度の高い筋トレを行うのに適しています。

 

また、夜にスポーツクラブなどへ行くと、意識の高いトレーニーたちが大勢います。他の人が頑張っている姿を見ることで、自分のトレーニング意欲も高まり、いつも以上にハードなトレーニングに励むことができることでしょう。

 

 

効果的な筋トレの負荷設定は?

筋トレ負荷

体を成長させるうえで、筋トレ頻度と同じくらい重要なのが「負荷設定」です。負荷の違いによってどのように効果が変わってくるのでしょうか。

 

負荷設定×回数

 

筋トレは負荷のかけ方によって効果が異なります。効率よく成果を出すためには、目的に合った負荷設定を行う必要があるのです。

負荷設定をするにあたって、大きく分けて「筋力の向上」・「筋肥大」・「筋持久力の向上」という3つの目的に分けることができます。

 

  • 筋力の向上→3~8回をギリギリ持ち上げられるくらいの負荷設定
  • 筋肥大→8~12回をギリギリ持ち上げられるくらいの負荷設定
  • 筋持久力の向上→12~20回をギリギリ持ち上げられるくらいの負荷設定

 

これはあくまでも目安ですが、筋力の向上は「高負荷×低回数」、筋肥大は「中~高負荷×中回数」、筋持久力の向上は「低負荷×高回数」ということを頭に入れておきましょう。

 

 

筋トレ後は栄養補給を忘れずに!

 

ここまで筋トレのポイントを紹介してきましたが、体を成長させるためにはトレーニングだけでは不十分です。体を作るためには栄養がしっかり摂取されていなければ、どんなにハードな筋トレを行っていても効果は現れません。筋トレの効果を高める栄養摂取に適したタイミングが、筋トレ後です。

 

筋トレ後に栄養を摂取するべき理由

 

筋トレ後はエネルギーが枯渇している状態なため、そのままの状態では、体を動かすエネルギーを生み出すために筋肉が分解されてしまいます。そのため、素早い栄養摂取が重要です。

 

筋トレ後に積極的に摂取したいのが「たんぱく質」。たんぱく質といえば筋肉の元となる栄養素です。

実は、筋トレ後30分はゴールデンタイムと呼ばれるほど、たんぱく質の吸収率が高いタイミングといわれています。筋トレ直後は、成長ホルモンや筋肉の合成を促すインスリンの分泌が活発になり、そのタイミングでたんぱく質を摂取することで、筋肉の合成を効率よく行うことができるのです。

 

研究では、筋トレ後30分以内に摂取した場合と2時間後に摂取した場合では効果の差が大きく、トレーニング後2時間後になってしまうと、ほとんど筋トレによる成長ホルモンやインスリンの効果が得られずに普通の時に摂取したのと同じ程度になってしまうといわれています。

 

筋トレ後すぐに食事を摂るのはなかなか難しいでしょう。そのため、食事ではなくプロテインなどのサプリメントを活用すると、手軽にたんぱく質を摂取することができます。

 

スポーツジムでプロテインを飲んでいる人を良く見かけるとはありませんか?別にロッカーで飲まなくても帰ってから家で飲めばいいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、これは効果を出すためには理にかなっていることなのです。

 

まとめ

筋トレは、頻度を高めればその分効果は現れやすくなるため、毎日筋トレに取り組んでも問題はありません。しかし、今回紹介したように疲労がたまらないようなプログラムで進める必要があります。

筋トレ習慣を身につけるためにも筋トレの頻度を多くして、体づくりを効率よく進めましょう!

 

Ivy, J. (n.d.). NUTRIENT TIMING THE FUTURE OF SPORTS NUTRITION PART I:NUTRIENT TIMING PRINCIPLES 1: Nutrient Timing 2: Muscle Energy Systems and Fuel Utilization 3: The Influence of Hormones on Muscle Growth and Development PART II:NUTRIENT TIMING SYSTEM 4: NTS Energy Phase 5: NTS Anabolic Phase 6: NTS Growth Phase PART III:INCORPORATING NUTRIENT TIMING INTO YOUR TRAINING 7: Making Nutrient Timing Work for You. [online] Available at: https://www.anasci.org/ebooks/Nutrient-Timing-Ivy-Ph-D-John.pdf.

プロスポーツトレーナー歴 20年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。

現在、様々なメディアで執筆や商品監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。

2021年 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊。

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